お返し…
さとみくんの話を聞いて、約2年前を思い出す。
るぅとくんから貰ったチョコケーキが嬉しくて、絶対お返ししようって思ってた。
お返しするためにクッキーの作り方をYouT〇beやGo〇gle先生に頼ったりして…
でも生憎、そのクッキーは上手くいかなくって…結局渡すことも出来ず今に至る
なんかかっこ悪いな僕…
この話の流れって、女の子との思い出だよね?
そもそも、るぅとくんとの思い出話したらぜってーからかわれるし…w
ドキッ
それって………
もしかして…???
チョコケーキって…
僕にくれた、あの…?
あ
やべ、普通に聞いちゃった…
待って……もしこれで…
好き…じゃなかったら……
僕の声は莉犬くんの声に掻き消された。
僕の目を見て、苦しそうに笑いながら彼は言った。
もし、もしるぅとくんが言ってた大切な人…が、
僕………だったら……………
そう思ったら急に胸が熱くなったんだ……
今思ってる気持ちを察されないようにへらっと笑い言葉を放つ
上手くいくといいねなんて言いながら、少し不安もあった。
もし、これが僕じゃなかったら…もしそうだったら、
僕以外にも同じようなケーキをあげてて、
僕じゃない誰かを大切で、まだ好きだと思ってるってことになる…
って…あれ?
なんで僕…………不安なんだ??
もう……今回絶対お返し成功させて、
この気持ちがなんなのか…
ギュッ
突き止めてみせる
そう言われ手の方を見ると、僕はぎゅっとるぅとくんの手を握っていた。
あ、そうだ…
続く
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。