体がつま先から頭のてっぺんまで熱くなって
マグマの中に入ってしまったみたいになる。
ばくんばくん、と心臓が鳴り止まなくて
反応で聞こえてしまっていたことが明らかに
わかってしまったから、触れないで、
言わないで、って祈ることしか出来なくて。
名前を呼ばれる。
それだけで体が痺れて動けなくなるの。
だって、だって君の声だから。
昔から聞いていたあの君の声だから。
何度呼ばれても慣れない、から。
「ねぇ、あなた」って私の名前を呼ぶ雲雀は
どこか悲しそうで、でもどこか期待してそうで
不思議な瞳と声色をしていた。
…名前を呼ばないでほしいの。
だってそれだけでまたきっと溢れちゃうから、
言葉が喉の奥に引っかかったみたいで
上手く言葉に出来なくて焦ってしまう。
待たせてる、ちゃんと言葉にしなきゃだめだって
どうしよう困らせちゃった、どうしたら…
途端、ぐいっと手首が引っ張られて
なにかに包まれた。
一言も発さない雲雀にさっきより
焦って、なにか口にしようとするも更に焦る
ばかりで頭が真っ白になって口に出せなくて。
ふと気づいたときには外に出ていて
どこかの公園に着いていてベンチに座るよう
促されて、ベンチに腰を下ろしていた。
責めるようにどこか冷たい口調。
その声がザクリと心臓に刺さって、
じんと目頭が熱くなる。
違う、泣くことじゃないってわかってるよ
泣いちゃだめ、だめだって
いつの間に下を向いてしまっていた
私の頭の上になにかが置かれた感触がして
優しく撫でられた温かいぬくもりに
雲雀の手だって気付いた。
瞬間、涙が引っ込んで体の熱がまた
ぐるぐると体中をまわりだす。
――― どくん、どくん、どくん
「泣いてないし謝らないで」って言おうと
思ったけど頭を撫でる雲雀の手が心地よくて
離してほしくなくて、されるがままにして
いることしか出来なかったんだ。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。