とある日、左馬刻からこんなメールが届いた
その文面を見て、私は溜め息が出た
それでも、彼女の事が気になるので車を出す事にした
私が記憶している春鐘さんは
何処か儚く、何時でも消えてしまいそうな雰囲気を纏っていた
理鶯は時々だがよくわからない事を言う時がある
……彼女と左馬刻は全くの別物だろう
そう思いながら左馬刻を拾いにアイツの事務所へと向かうともう既に待っていた
車を止めて窓を開けて、声をかける
左馬刻はそう言いながら扉を開けて助手席へと座る
左馬刻がシートベルトをしたのを確認して車を走らせる
左馬刻はシンジュクへと向かう道中は珍しくタバコを吸っていなかった
俺がそう聞くと左馬刻は窓の外に向けていた赤い瞳を此方に向ける
まぁ…普通に考えて、退院したばかりの人の近くでは吸いにくいとは思うが
左馬刻はそんなのを気にする質では無い
そう思いながらシンジュク駅前へと到着する
車の中から周りを見回すとあの特徴的な髪が見えた
そう言いながら左馬刻は車を降りた
春鐘さんは左馬刻に気付くとフワッと花を咲かせた様な可愛らしい笑顔を浮かべながらこちらへと歩み寄ってきた
そう言いながら私の車を見る彼女
…自分の車が褒められるのは嬉しい事ですね
そう思いながら、助手席の窓を開けて声を掛ける
私がそう声を掛けると春鐘さんは驚いた表情をした
どうやら、私が共に来るのを知らなかったようだ
左馬刻の奴は何処となくその反応を楽しそうに笑っていた
その言葉に春鐘さんは少し困惑している様だ
…謙虚なのも困りものですね
そう言いながら春鐘さんは後部座席へと乗り込んだ
左馬刻はそれを確認してから再び助手席へと乗り込んだ
そして、春鐘さんがシートベルトをしたのを確信してヨコハマへと車を走らせた
暫く高速道路を走り続けていると海が見えてくる
チラッと後ろをバックミラーで確認すると春鐘さんの瞳はキラキラと輝いていた
左馬刻のその言葉に春鐘さんは少しムスッとした表情を浮かべる
左馬刻はその表情を横目で見ながらクックッと少しだけ喉を鳴らせながら笑っていた
その表情は私達でもあまり見ない優しい表情でどれだけ仲が良いかがわかる
私がそう言うと春鐘さんは少しだけ表情を暗くなり顔を下に向けてしまった
一瞬、なにか気に触っただろうかと思ったが……
再び上がった瞳は先程とは違う光を宿していた
そう言いながらバックミラー越しに此方を見る彼女は先程までの可愛らしい雰囲気が無くなっていた
"神様"……そういう彼女の表情はまるで西洋の人形の様な微笑みを浮かべていた
左馬刻の方を見ると眉をひそめながら窓の外を見ていた
その微笑みは感情も何も無い……本当に人形の様な笑顔だった
その後は左馬刻の事務所へ着くまでずっと無言が続いた
彼女が降りて、事務所の中へと案内されるのを見届けると左馬刻がこちらを向いた
私はその言葉に驚いた、まさか左馬刻から忠告されるなど思ってなかった
私がそう言うと左馬刻は眉をひそめながらタバコに火をつけた
左馬刻はそう言うと私から背を向けて事務所へ入って行ってしまった
彼女の親がどんな人物だったのか…左馬刻の口調的に本当に人間のクズだったんだろうな
調べるなと言われたが…どうしても気になってしまうのは職業柄なのだろう
そうして、私はその場を後にして一路、警察署へと向かうのであった
皆様、新年あけましておめでとうございます!!
今年もゆっくりではありますが書いていきたいと思っております!











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!