えええええ!?
竹太郎がアラビア語を話して、店員と会話しだしたではないか!!
鬼が僕の耳元でそう囁いた。
この人たち、一体何者だ。
僕は驚きを通り越し、ドン引きしていた。
日本昔ばなしのような世界観から、やっきたと言い出し、そして空飛ぶランプやら謎めいたものを出現させ、果てには多言語を操る。
この人たちは神?妖精?それとも未来からきたタイムトラベラー?まさか宇宙人?!いや、ハイパーAIロボットだとか?
様々な仮説が僕の頭を駆け巡っている間にも、竹太郎と店員の会話は続く。
竹太郎が何か言うたびに鬼が同時通訳してくれる。
本当に機械翻訳みたいな速さで。
そういうと、竹太郎は僕たちが育てたオレンジ色のポテトをカウンターの上においた。
店員さんは一瞬、じゃがいもを見て怪訝な顔をしたが、すぐ手に取って
と言い、竹太郎に日本のフードコートでよく見る、自分の番になるとブザーがなる機械を渡して、厨房に向かった。
竹太郎と僕と鬼は、注文したものを待つスペースに向かった。
竹太郎は嘘のように日本語に戻っている。
僕は今までにない、真剣な顔で2人に言った。
竹から生まれた次点で人間じゃないだろう、と心の中で突っ込む。
鬼もとなりで頷きながら、
と言う。
僕は竹太郎と鬼の体にネジの穴やボタンがないか、目を走らせながら言った。
ビービー
その時、店員さんから渡されたブザー(?)がけたたましく鳴った。
2人はいつものノリに戻って、受け取り口へと、スキップしていった。
……
全く、不思議で愉快な人たちだ。
僕も小走りで、2人についていった。
流暢なアラビア語で竹太郎は答えると、出来立てのフライドポテトの乗ったプレートを受け取った。
びっくりした。
みかん色のじゃがいもは、この世にないようなフライドポテトになっていた。
揚げたての、まだ残ってている油がライトでキラキラ光って宝石みたいだ。
今にも僕の手が、ポテトをつまもうとしている。
これは絶対、絶対に魔神が喜んでくれると実感した。
僕はさっきまでのもやもやした気持ちが吹き飛んだ。
鬼も竹太郎も同じ気持ちみたいで、目を輝かせている。
竹太郎は絶対に食べないぞ、と心に誓うように唇をグッと引き締めると、
と真剣に言って、くるりと向きを変えて、出口へ向かった。
僕もついて行く。
あ。
何人もの人が、手にじゃがいもや、さつまいもや、よくわからない芋を持っている。
なんだ。僕らがやったことは普通のことだったんだ。
僕はそれを見て、一気に異質でおかしな世界から抜け出したような気がした。
これは、夢の世界じゃない。
僕は現実にいるんだ。素晴らしいリアルの世界に。











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!