走って教室まで戻った。
でも、そこには あなたはいなかった。
そう言って
駆け出そうとする俺の腕を掴み
そんなの言うまでもない
なだめようとする彼に怒りを抱き、
気がつくと彼のネクタイを引っ張っていた。
そう言い残して、俺は病院へと走った。
早く
少しでも早く会わなきゃ
--------------俺はお前が好きなんや
--------------うん、ありがとう
ここまでやってきた。
あなたは新田真剣佑……平野紫耀じゃなくて俺を選んでくれた
実は紫耀は今田じゃなくてあなたが好きだったんだ。
俺もこの時ばかりはダメかと思った。
紫耀の方が付き合い長いし。
でも、俺を好きになってくれた。
この幸せがずっと続くと思ってた……のに
また、あなたは記憶をなくした。
正直またか……と思った。
同級生達も2度目はきついのか
すすり泣いていた。
記憶がなくなった原因は俺だ。
……と思ってる。
“あいつ”が帰ってきた。
幼馴染、萩野美澄珠……
こいつが帰ってきて、何もしないならまだ良かったんやけど……
嫌な予感は当たってしまった
悪夢かと思った。
美澄珠と婚約とか嘘だと思いたかった。
だけど、美澄珠は俺の彼女であるあなたに
『婚約者なの』
と圧力をかけ始めた。
それに、あなたは身を引くことになった。
美澄珠は上機嫌だった。
あなたが記憶をなくし、しかもあなたは海人に気があるような感じで
自分を邪魔するものはいないと思ったのか……
悔しくて、放課後あなたに詰め寄った。
ダメだとわかってたけど止められなかった。














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。