崖で兄様の声が木霊した。
これが最後の別れだっけ…?
————
ここは私の実家、宇髄家。
家の人間は皆冷たい。
兄様だけは私をかわいがってくれて、
可愛い可愛い、とよく言ってくれていた
私達は過酷な生存競争の中にいる。
父の冷徹な声が響く中、私は必死に兄の背中を追っていた。
私にとって兄様の唯一の光だった。
ある日、崖を登る訓練があった。
忍っぽいな、とは思ったけど、なんとも不安定だ。
登っている最中、不運にも足場の岩が崩れた。
兄様の叫び声が空に響く。
兄様がこちらへ伸ばした手を取ろうとした。
しかし、指先が兄様に触れる寸前、体は重力に引かれ、
真っ逆さまに漆黒の谷底へと吸い込まれるかのように落ちていった。
私はここで死ぬのか…
あの世で兄妹に詫びなければ…
激流の音は私の悲鳴を飲み込んでいた。
短いけど今日中に過去編出すから!!!by作者












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。