「媚びでしょ」
ぴし、と人差し指をだぼだぼの袖から覗かせて、くすっと挑発的に笑いながら言われているのはこの間さくらくんがSNSにポストした画像に対して、僕が『かっこいい』と一言だけリプした時のこと。
今はちょこらび全体での撮影だったり話し合いだったりが一旦落ち着いて2人でソファに座っていた。
それまではエゴサ等をしていて2人きりなのに特になにも会話はしていなかったがおそらくさくらの方もTwitterを見ていたのだろう。あ、と急に声を上げたかと思えば冒頭のようにそう言いながら証拠というようにそのやり取りの画面を僕に見せてきた。
つまり、僕が『かっこいい』とか、そういうリプを公の場でした事を、今目の前に居るこの子はリスナーさんに向けた媚びやファンサだと思っているらしい。
「そんなことないよ?」
「うそ、だって俺わかるもんゆぺくんのことなら」
「ええ?w」
「だってほんとに思ってたらわざわざあのアカウント使って全体に見えるとこでは言わないでしょ?」
「そんな考えてないよwただ丁度その時かっこいいなって思ってリプしただけだし」
僕もちゃんと否定はするけど、お互い全部が全部本気な訳じゃなく冗談めいた感じ。
惚気か喧嘩か分からないくらいの間合いで両者譲らずその会話を続けていた。
「え〜?ちがうでしょwゆぺくんがそういうの言ってくる時ってリアルで会った時とか2人の時とかだし…、」
「まあ、うん…それもそうかもだけど〜、、」
「でしょ?俺ゆぺくん検定1級だもん。わかるよ」
「なにそれww」
ぷく、と口をふくらませてそういうけどこういう時のさくらくんは怒ってるとかじゃなくて寧ろちょっと恥ずかしそうな感じ。
それが可愛くて思わずふっと笑ってしまった。
まあそろそろ言われっぱなしも癪だし言い返しますか
「で?ほんとうは?どうしてほしいの?」
わざと意地悪く俺がそう言ったことにより、意図せずともさくらくんの顔がもっと赤くなる。それが可愛くて自分でも口元が緩んでいるのがわかるけどそんなの今はどうでもいい。
「ッ…!//え、あ、」
「だってさくらくんのも建前でしょ?俺もさくらくん検定1級だからわかるもんwwさくらくんが俺の事分かるのと同じで俺もさくらくんの事なら分かっちゃうよ?w」
「ぅ、…もう//、」
「でもどうしてほしいかは言ってくれないとわかんないなあ〜」
そうして数秒、さくらくんは何も言わずに俯いていた。
ちょっとからかいすぎたかな、そう思って少し焦ったのもつかの間。
ふわっとした、優しい匂いと柔らかい感覚に包まれた。
「、その…文字じゃなくて、言葉で言ってほしいの///」
ぎゅっと抱きつかれていて顔は見えないけどとりあえずあまりの可愛さに今にも倒れそう。
そんな状態で俺が何も喋ってないのが怖くなったのかさくらくんが不安そうに顔を上げてくれた。
「…ゆぺくん、?///えとごめんね、いやだった、?」
「ッ…///嫌なわけないじゃん可愛いなあもうッ」
ぎゅっと抱きしめ返すといきなりで驚いたのかさくらくんはちっちゃくわっと言って笑ってくれた。
他の人から見ると多分俺のキャラが崩壊するんだろうけど今は誰も見てないはずだし見てたら普通に殺すから大丈夫だよ。うん。
「さくらくん、好きだよ。」
「うん。おれも」
「でもかっこいいって思ったのもほんとだからね」
「んふ、わかってるww俺もゆぺくん今可愛いって思ってるよ」
「俺はかっこいいって言われたいんだけどなあw」
「じゃあかっこいいw」
「じゃあってなんだよww」
「んふふww」
「それ言うなら俺からしてもさくらくんは可愛いの割合の方が圧倒的に大きいもんね」
「ええ〜まあでもゆぺくんに言われるなら可愛いでも良いかも」
「他の人は言っちゃだめなの?」
「ん〜でも可愛いって言われたい気分の時もあるからなあ、だけどいっつも"可愛い"はやだからゆぺくんだけ」
ぎゅっとしたままそんな甘いやり取りを繰り返す。
ずっと口角が上がりっぱなしだけどこればっかりはしょうがないよね。
結局喧嘩か惚気か、多分惚気なこの甘すぎる討論は両者とも譲りまくって勝敗としては曖昧だけど多分終わりを迎えたのだろう。
だけどもう少し。あいつらが帰ってくるまではこの甘い暖かい体温を包んでいよう。
もう結構前になるかもしれませんがTwitterかXかの絡みが嬉しすぎて書いてしまったものです。
小説とか書くの慣れてないので意味不明だったら
すみまさん。
…すみません。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!