第2話

嫌いになんてなれない
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2023/01/23 08:10

月島 side











もう我儘など言えない''事''は分かっているから










「少しだけでもいいから、他の人と話さないで」なんて、とても言えない












彼が浮気をしていることは最初は信じたくなかった










それでも、彼が浮気しないなんて夢の話。









浮気するなんて…そんなの現実に過ぎない










月島「クソが…









ヘッドフォンをし、長く感じる放課後の廊下をゆっくり歩いた





僕達を結んだ''失恋ソング''を春風が聞こえないくらい音量を大きくした






少し鼻で音程を取れば











後ろからお腹に手が周り背中に重量がかかる






月島「何…」








返事をした後にゆっくりとヘッドフォンを肩に下ろした








僕はただただ呆然とし、彼の方を向かない









あなた「背中が寂しそうだった」








そう、言えば彼は僕の目の前に行き僕の手を掴んだ







月島「…ただ、遊び相手が居なくなっただけでしょ」






彼は独特なニヤケ顔を作った後、







僕よりも五センチ低い体で少し背伸びをし、










唇を合わせた







月島「っ…やめてよ」







彼の肩を押し、自分と彼を引き離す








強めに言うと彼は叱られた子供のように下を向き「ごめん」と囁いた







月島「ごめん、そんな強く言うつもりは無かった」






彼がどれだけ他の人と恋人のような事をしても、他の人と寝ても…僕は彼を許してしまう



彼が好きだから。







そう、思えば彼は僕を苦しませずにどっか行く






平気だ、また元の生活に戻るだけだ







月島「…じゃ僕もう行くね」






自分でどうにかしなきゃ






彼にくっ付けば自分が苦しいだけだ






自分の彼氏だけどちゃんと限度を付けなきゃ、











あなた「蛍」




後ろから手を引かれ、勢いがあまり彼の胸に飛び付いた







月島「は、離してっ…」




無理矢理彼の胸から抜けようとするが、彼に後頭部を押され仕方なく離れるのを辞めた








やめろよ…今更…




色々な感情が頭の中を駆け回り訳の分からない心情になる





何故、彼は他の人とどこかへ行かず、僕を心の崖から突き落としてくれないのだろう






ねぇ────


































─────キミは僕の事を本当に愛してるの?



















月島「嘘でも好きって言って…
























僕は彼を嫌いになれない

































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