何か小さな音がして目が覚めた。
ゆっくりと目を開けて、音のした方向をそっと見た。
この音は
いつも騒がしくて元気な奴が透明な雫を落としながら
ズルズルと鼻をすすっている音だった。
俺はびっくりしたよ。
まだあんなにも、顔がぐっちゃぐちゃになるほど、
思い詰めていたなんて。
声が出なかった。
俺は今もさっきも動けない。
俺は冷静だ。と言われてきたから、怖くても動けると
思ってた。
今も動けない。
動かなきゃいけないのに。
今行かないと居なくなってしまうような目をしている。
まるであの時の明人みたいな。
俺は苦しそうな横顔を見ることしか出来なかった。
始めてみたような顔が山田に近づいた。
恐竜を外した想だったようだ。
想がギュッと手を繋いだ。
山田のその目は覚悟を決めたように見えた。
頑張ろう
















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。