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第60話

60話
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2026/02/24 10:00 更新













〜港町「ラケシュ」〜









予定通り、グラディウス、ベビー5、セニョール、マッハバイス、ジョーラ、ラオG、あなたの7人で奇襲に向かった。







港に銃声が響く。








幹部「ドンキホーテファミリー…!!」








幹部「撃て!!撃て!!」








だが――







グラディウスの正確な射撃。ジョーラの容赦のない一撃。
ベビー5の武器変貌。
あなたの鋭い剣。セニョールのスイスイの能力。
マッハバイスの圧倒的な重量攻撃。ラオGの体術。







戦いは、数分で終わった。







静まり返る港。








あなた「ねえねえグラさん、あの子がいた白い町って何?」







あなたはグラディウスの袖を引っ張る。
それはいつもあなたがグラディウスに甘える時の合図だった。








グラディウスは当然のようにあなたを片手で抱き上げた。






グラディウス「フレバンスという国の全土を人はそう呼んだ」







ベビー5「フレバンス?」








グラディウス「ああ。国民は皆裕福で、町はまるで雪国のように真っ白だったと聞く」








ベビー5・あなた「へぇ〜…!」







グラディウス「ある時、地層から“珀鉛”が見つかった。
それがあの白い景色の源だとわかった珀鉛からできる食器、塗料、甘味料、化粧品、武器まで質の高い珀鉛の品々は世界中から買い手がつき、
それはフレバンスの一大産業となった。めざとい世界政府も商品を運ぶ運輸業に参入。珀鉛は底なしの金を生んだ」






ラオG「白い町は人々の憧れの国じゃ」









あなた「わぁ!行ってみたい!」








ベビー5「素敵ー!」







ラオG「あこGAれのG!」








ラオG「……じゃが、もうない」







ベビー5「えっ?」








ラオG「珀鉛産業が始まった100年ほど前。世界政府は国の地質を調査し実はすでにその正体を知っていた」








あなた「正体?」








グラディウス「毒だ」







あなた「え!?」








グラディウス「掘り起こさなきゃさして害のない毒。扱えば人体をむしばむ毒だ。それを知りながら、政府と王族は隠した」








あなた「そんなことしたら…死んじゃうよ」








グラディウス「ああ」









低い声。








グラディウス「ああ。だが毒と言っても微量なのがこの事件の恐ろしいところ。
例えば1人の若者の体に鉛が溜まり続けたとしてそいつに子供ができたとして実は子供の寿命は短くなっている。
さらにその子供が大人になり子供ができた時もっと寿命の短い子が生まれている。
代々寿命が縮みやがてローのように死ぬ世代が生まれる世界がやっと珀鉛の有毒性に気づいた時には…もう手遅れだった」








グラディウス「ある時期を境に次々と人々が倒れていった祖父母世代、親世代、子供世代寿命のずれのせいで全世代にいた時期に発病した。
肌や髪がみるみる白くなり全身の痛みと共に次々と人が死んでいくいかなる医者にもそれは止められなかった」








あなた「……」








グラディウス「気づいた時には手遅れだった」








セニョール「本当の悲劇はそこからだ」








静かな声。








セニョール「他国は国中同じ症状で死んでいく白い町の人々を見て隣接する国々は珀鉛病を伝染病と思い込み八方から通路を塞ぎ白い町に対し隔離処置を取った。」








セニョール「白い町を封鎖し、逃げようとする人間を撃った」







あなた「……ひどい」







セニョール「王族たちは政府の手を借り早々国を脱出国民は見捨てられた他国での治療移住を希望する白い町の出身者たちはまりで檻から逃げ出すモンスターの様に恐れられ射殺された臭いものに蓋とはこの事だ。
病の苦しみなんて所詮人事。実に人間らしい」








セニョール「だがフレバンスも黙っちゃいねえ皮肉なことに鉛玉は腐るほどあるついには戦争が始まった反撃といった大義名分を得た諸国も容赦はしないあとはもう想像通りさ。」








風が吹く。








セニョール「白い町フレバンスは滅亡した。最後は人の手によってな」








あなたは何も言えなかった。








ただ、少しだけ拳を握る。










セニョール「10歳のガキがこんなたいけちまったら、そりゃ人格も壊れるわな」









あなた「……」









セニョール「そうだあなた、お前に用が――」










セニョールはふっと笑った。









セニョール「お前またグラディウスに甘えてんのか」









あなた「甘えてないよ!ちょっと疲れたから抱っこしてもらっただけだもん!ね?グラさん」







グラディウス「……ああ」







セニョール「お前は夢主に甘いな」








グラディウスは何も言わない。









セニョール「で、本題だ」








壊れた電伝虫を見せる。







セニョール「こいつがイカれてな。ドフィに報告ができねェ」







セニョール「あなた、お前まだ飛べるだろ」









夢主「うん」








セニョール「船より速ぇ。先に戻って若に伝えてくれ」









あなたは少しだけ驚いた顔をした。








あなた「私でいいの?」








セニョール「バッファローもいないしな。今のメンツだとお前が一番早い」









あなたはまだ少し飛行能力には自信がなかった。
あなたはグラディウスの顔を覗いた。











グラディウス「お前に任せる」









あなたは少しだけ嬉しそうに笑った。









夢主「わかった!」









ふわり、と翼が広がる。











あなた「すぐ行ってくる!」














翼を強く羽ばたかせて、









空へ飛び上がって行った。









その頃スパイダーマイルズではローがコラソンを刺したことは誰も知らなかった

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