第47話

Chapter.38
246
2025/09/29 11:10 更新






































kamomeside















…先程まで見えていた光景が頭から離れず、俺はしばらくの間ぽけーっとしてしまう。






はっと気がついて、慌ててぶんぶんと頭を横に振る。









…今日だって、あいつとの約束がある。




なんだか放っておけなくて、気まずそうにしているあいつに「また明日」などと声をかけたのは自分なのだから、行かなくてはならない。










kamome
kamome
(…気まずくない、と言ったら嘘になるけど…)





だって、俺は…












…あいつの気持ちに応えてやることは、できない。




ずっとずっと、俺の心はにょきをただ一人。




これまでも、これからも…











その想いを断ち切ることなんて______
俺には、無理だ。







kamome
kamome
(…やっぱり、臆病者チキンなんだよな)




…そらねこには、強く見せているけれど。




実際には、あいつの方が、ずっとずっと芯を持ってるって、俺は知ってる。







俺は、ぎりっと歯を食いしばった。











薄々気づいている。
にょきをへの、この想いは…







もう、叶わないものの、ような。




…あの時、あんなことを言ったが、それは、そらねこを励ますためではなく、俺が、自分にそう言い聞かせるためのものだ。





叶わない、ということ自体も勘でしかない。
こう話しているとどっちもあやふやに見えるが____











…好きな人に好きな人がいる、という時点で、世間一般では"失恋"と呼ぶのだろう。
















俺は身支度をし、ガチャリと自分の家のドアを開けた。





































そらねこ
そらねこ
…あ、
そらねこ
そらねこ
かもめさん


kamome
kamome
…そらちゃん




いつもの待ち合わせ場所で先に待っていたそらねこが、少し気を遣うように微笑む。





…随分、しっかりしたなあ。










…ずっとずっと、そらちゃんは自分の弟のようなものだと思っていた。










お互い、話すことがなく、しばらく沈黙の時間が流れる。




いつもなら、にょきをがどうだとか言うのが、当たり前の日常だ。





だけど、この状況じゃ、そうもいかないだろう。












そらねこ
そらねこ
…あのさ、かもめさん





そらちゃんが、意を決したように顔を上げて、俺も自然と身構える。





その表情は、とても真剣で______










俺は、ごくりと唾を飲んだ。









そらねこ
そらねこ
…難しいことっていうのは、分かってる




そらねこ
そらねこ
だけど…僕…
 
そらねこ
そらねこ
かもめさんに、男として、見てもらいたい



そらねこ
そらねこ
今までみたいな、家族とか、じゃなくて…



…そらねこの言葉は、途切れ途切れで、聞き取りやすいと言えるものではなかったが…




その内容を、容易く理解できてしまう俺は、こいつと過ごした長い年月を実感せざるを得なかった。












そらねこ
そらねこ
…少しだけでもいい、僕のこと、これからは…
そらねこ
そらねこ
ちゃんと意識して、見てくれないかな



…最後の言葉は、はっきり、真剣に。




そう言われた途端、一段と頼もしく、かっこよくその姿が捉えられた気がした。










…けれど、昔から根付いていたこの恋心が消えたわけではない。





今だって、脳裏にちらつくのは、金髪とオッドアイの中性的な男の姿。










しかし、目の前の人物を大切にしたいのも本当で______












kamome
kamome
…わかったよ



kamome
kamome
しばらく、そらちゃんのこと、そういう目で見てみる
kamome
kamome
…返事は、その後で、良い?








俺が、そう告げると…





そらねこの目に、ぱっと光が差し込んでらこくこくと、小さく頷き、









そらねこ
そらねこ
…うん!



そう言って、にぱ、と笑った。





































プリ小説オーディオドラマ