重ための朝食を取った後(のち)、彼は用を足しに駅へと去っていった。
予想もしない出来事が起こりいっぱいいっぱいになってしまっていた私だが、
浅草、下北沢やお台場、谷中銀座…と足を運んでみたいと考えているところは沢山あった。
のんびり見て回り夜を待つことにしようか。
ここで昨日お酒の席で彼、シルクロードと話した内容を思い出す。
……
なんて単純なんだろう。
私は東京メトロに乗り多摩川へ向かった。
彼の好きなものや彼自身のことを少しでも多く知りたいと、そう思った。
ご飯をぺろりと平らげたせいか少しウトウトしてしまって、いつもは鬱陶しい筈の電車の揺れが、今日はなんだか穏やかで心地良く感じた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。