あなたが家から出ていってから、
半年が経とうとしていた
ある日、夜遅くに仕事から帰ると
いつもなら寝室で眠っているはずのあなたの姿が無かった
それどころか、あなたの物が全て無くなっていた
机には1枚の置き手紙
" 今までありがとう。私のことは忘れてください "
何度も離れ離れになって、
喧嘩して、
やっとの思いで掴めた幸せだったのに
今ではもう、喧嘩さえできなくなってしまった
電話は何度かけたか分からない
この家にいると、余計に忘れられなくなりそうで
引越しも考えた
でも、いつか帰ってきてくれるかもしれないから
そんな淡い期待でこの家には住み続けることにした
最初は心配と、彼女を失った喪失感で心が空っぽになっていた
でも、月日が流れるにつれ
これがあなたにとって最善の選択なんだ
と思うと、
俺は彼女の幸せを願うことしかできなくなった













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。