第14話

傷ついた心
31
2021/03/03 14:10
ー礼治sideー
朔夜
朔夜
...礼治さん...礼治さん!!
朔夜が俺の肩を揺する。
礼治
礼治
おう、どうした?
朔夜
朔夜
どうした、じゃないですよ!!何度呼んでも気づかなかったんですから。
礼治
礼治
あ、ごめん。
俺は、翔琉達のやり取りを聞きたくないあまり、朔夜の声も耳に入らなかったのかもしれない。
朔夜
朔夜
礼治さん。...大丈夫ですか?
礼治
礼治
大丈夫って何が?
朔夜
朔夜
何が?じゃ、ないですよ。泣いてますよ、礼治さん。
礼治
礼治
...え?
俺が指で目の下を触ると、濡れていた。
朔夜
朔夜
気づかなかったんですか?本当に、大丈夫じゃないんじゃないですか。
礼治
礼治
......大丈夫。ガキに心配されるほど俺は落ちこぼれてな...
バチンッ
頬に衝撃が走る。


一瞬何が起きたかわからなかった。


...コイツ、俺に...平手打ちした...?
朔夜
朔夜
ガキ扱いすんなよ!!アンタから見たらガキかも知れないけど、俺だってもう大人に近づいてるんだよ!!
なんで頼ってくれねーの...?
...俺も頑張るからさ、一人でため込むなよ。
礼治
礼治
......
こんなに感情的になった朔夜、初めて見た。




すると朔夜がキッチンの方に行って帰ってきた。





俺の頬に冷たいものが触れる。
朔夜
朔夜
...さっきは少し感情的になりました。...でも、俺、謝る気ないですから。
礼治
礼治
...朔夜、あの...
朔夜
朔夜
俺は、絶対礼治さんを裏切りません。
この世に絶対なんてないけど、この状況で礼治さんが俺を信じてくれるとか期待してないけど。
でも、俺は誰になんと言われようと、礼治さんの側にいますから!!
俺は押し黙ってしまった。



...朔夜が俺の中で特別だった理由がなんとなくわかったような気がした。



俺は救われていたのだ、この子に。
礼治
礼治
ハハッ、なんかプロポーズみてぇだな。
朔夜
朔夜
はぁっ!?こっちは真面目に言ってるんですけど!!
そう怒る朔夜に軽く抱きついた。
礼治
礼治
...ありがとな、朔夜。
朔夜
朔夜
...アンタ、なんでそんなに野郎とハグしたがるんですか。
別にハグしたがってる訳じゃない。


ただ、朔夜に止めどなく溢れるこの涙を、見られたくなかった。





すると朔夜も抱きしめ返してきた。
朔夜
朔夜
...大丈夫ですよ、礼治さん。俺は、ずっとアンタの側にいますから。

じゃあ、これから復讐屋としての仕事を全うしましょう。


ー続くー






作者なのだ🍣
さて、段々とフィナーレ(?)に近づいて行ってます!!
これからもふくしじを応援してください!!🙇

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