『深夜2時
シェアハウスの共用リビング』
照明は消えていて、キッチンからの微かな明かりだけがついている
いるまが1人、カウンターで冷めたコーヒーを前に俯いている
手元のスマホには、心ないアンチコメントや、「もっと頑張れ」という期待の声が並んでいる
いるまは頭を抱え、深くため息をつく。
その時、背後の廊下からギシッと床が鳴る
慌ててスマホを伏せ、表情を作る。
暗闇から現れたのは、スウェット姿で目をこする「らん」だった
いるまが立ち去ろうとした瞬間、らんがその腕を掴む
らんは掴んだ腕を離さず、いるまの顔を覗き込む。廊下の常夜灯に照らされたいるまの目は、赤く腫れている
らんは空いている方の手でいるまの頭を
乱暴に、でも優しく撫でる
いるまの目から、堪えていた涙が一粒こぼれる












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。