次に目を開いた時。目の前にあるのはジェニオンニの優しい笑顔だった。
ふと目が合えばより一層優しい笑顔を見せてくれて、私の前髪を整えるように撫でてくれる。
腰を起こしてみると久しぶりに感じる痛みに顔を歪める。
大丈夫?と腰を摩ってくれるオンニの手はさっきとはまた違う温かさがあって、ほっと安心して。
笑いながら部屋を出ていったジェニオンニを見送って少し痛いくらいの腰を持ち上げてベッドシーツを変える。
いやぁ…抱かれたのはいつぶりだろうか。かなり久しぶりじゃないか?
いつだかにジスオンニに同じようなことされたっきりだな…抱かれるのあんま好かないんだよね…
剥ぎ取った湿ったシーツを丸めて、脱衣所へ放り投げる。
取り出した柔軟剤の香りのするシーツを広げてベッドにセットして。
サラサラのシーツの上に飛び込めば柔軟剤の香りが部屋いっぱいに広がって。
さっきまでのいかがわしい気持ちがスーッと薄れていく音がする。
そのタイミングでジェニオンニの声がして、リビングへ向かえば鼻腔を刺激する大好きなお肉の匂い。
そんな昔話に花を咲かせながらオンニの作ってくれた夕食を口に運ぶ。
ここまで美味しい夕食をこの家で食べたのは久しぶりだから少しだけ感動してしまって笑
オンニと一緒にどう?美味しいでしょ?なんて言いながら食べ終える。
お風呂に入ろうという話になった途端にオンニがまた少し悪い顔をして一緒に入ろう?なんて。
さっきあんなことした人と一緒に入れるわけないのに笑
先入ってよと言えば文句を垂れながらも脱衣所へ向かっていく。
…この後はもう何もなければいいけど
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!