鉛筆を走らせながら、善逸を観察する
え、あんま意識したことなかったけど、
目でかいし鼻高いし小さいしで結構整ってない?
検索 我妻善逸
もしかして:イケメン
だったりする?
髪は先生によって殺されそうな色だけど。
話しかけないほうがよかったか、と
鉛筆を動かす手を一度止める
けど、ほぼほぼ完成している髪の部分を意味もなく描き重ねる
紙に影ができたからだ
いや本当に私、ノートとか覗いてくる先生苦手なんです
これは美術だからいいけど、
え?なに私間違ってる?みたいになるから
切実にやめてほしい
ありがとうございますというには堅苦しくて、
あざますというにはちょっと軽い距離感のせいで
ス◯夫のお母さんみたいになってしまった
なんだよザマスって。
貸せ、と言われた気がして鉛筆を離すと、
先生は後ろから鉛筆を薄く走らせた
いやいやいやいや近い近い近いって!!!
今のバックハグですよね。
パーソナルスペース??距離感??
色々おかしいよ輩先生。
ちょっと良い匂いした。
ちょっと吐息がいい感じだった。
なんでもありません。
比率か、と思い善逸に目を戻せば、
この世の終わりかというほどやばい顔をしていた
私も今その顔したい!!
あの先生やばいよ!
比率をはかって位置を調整した口は、
腹いせにさっきのこの世の終わりの顔の口にしておいた。
なかなか上出来だと思う。
次は善逸が私の絵を描くということで、
心配でしょうがないが私たちの仲だ、骨は拾ってやろう。











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。