第16話

16話 想いが重なるとき
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2019/11/26 04:09 更新
あなた
芳くん!
家に帰ると、ドアを開けてすぐに
芳くんが両手を広げて待っていた。
宮内 芳
宮内 芳
おかえり
私はたまらず、その胸に飛び込む。

芳くんの体温に包まれて、
自分以外の規則正しい鼓動に耳を傾けると、
ほっとした。

そのせいか、じわりと涙が目に滲む。

なにも聞かずに抱きしめてくれている
芳くんに、私はぽつりと家族と生きる道を
選ばなかったことを報告する。

それを聞いた芳くんは、
私を抱きしめる腕に力を込めた。
宮内 芳
宮内 芳
俺があなたの帰る場所になってもいい?
あなた
もうとっくになってるよ
宮内 芳
宮内 芳
……あなた、意味わかってないでしょ
くすくすと笑う芳くんを
私は首を傾げながら見上げる。

それと同時に大きな手に両頬を包み込まれ、
芳くんの顔が近づいた。
宮内 芳
宮内 芳
好きだって、言ってるんだけど
あなた
え!?
宮内 芳
宮内 芳
あなたの特別にしてくれってこと
友人の好き、家族の好きとは違う。

もっと特別で、世界でたったひとりに
抱く感情のことを芳くんは言っているんだ。


いつの間にか、私の隣に芳くんがいる
ことが当たり前になってた。

それはきっと、私が芳くんの存在を
自分の一部みたいに思っていたからかも。


芳くんへの想いを整理していくと、
最後にはシンプルで強い感情だけが胸に残る。


今まで、ずっと気づかなかったけど……。
あなた
私、芳くんが好き
宮内 芳
宮内 芳
それって……
あなた
芳くん以外の人には、こんな気持ちには
ならない。特別な好き……だよ
自分で言っていて恥ずかしくなった私は、
芳くんの胸に顔を埋める。

すると、頭の上に芳くんのため息が降ってきた。
宮内 芳
宮内 芳
もう……あなたの照れ方、ずるいな。
可愛すぎるし、ずっと腕に閉じ込めて
おきたいよ
あなた
私も離れたくない
宮内 芳
宮内 芳
……っ、お願いだから煽(あお)んないで
あなた
えっ、わあ!
急に身体が浮遊感に包まれて、
私は芳くんに抱き上げられる。

その先にあったのは、私のベッドだった。
宮内 芳
宮内 芳
このまま、一緒に寝よ。
大丈夫、襲ったりはしないから
あなた
お、襲う!?
混乱している間にも、
私は洗いたてのシーツの上に優しく下される。

そのまま、後ろから抱きしめられるような形で
芳くんとベッドに沈んだ。
宮内 芳
宮内 芳
俺、彼女に対して執着したことも、
優しくしたいと思ったことも
なかったけど……。
本気で好きになった女の子のことは、
たっぷり甘やかすタイプみたいだ
そう言って頭を撫でてくる芳くんに
始めはドキドキしていた私だけれど、
髪に触れる優しい手に次第に眠気が襲ってくる。
宮内 芳
宮内 芳
おやすみ、あなた
おやすみ……芳くん……。


微睡みの中で返事をすると、
私は芳くんの温もりに守られながら
夢の世界へと旅立っていった。

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