またあの夢みたいだ、でもこれは
本当に夢なのか…?
なぜストーリーが進んでいる
現実味も、臨場感も...
もしや、本当に、
目を開くと、
また吹雪かと思ったら、前回のあの部屋だった
だけど、窓が空いてて雪が入って来て寒かった
…また泣いてるのか?
こいつ…いや、あなたは、
オイラが居ることに最初気づいてないな
前回もそうだし、今回も。
あなたの深層心理の中とか、
そんな感じなのだろうか。
夢だから気持ちが風景や人物、状況になって
ダイレクトに表現されたりとか、そういう感じかな
あなたは、明るそうに見えて
何だか、心の内を教えてくれないというか
さりげなくガードしているような
なにか隠している感じがすると思っていた
警戒心が強いんだか…力になってやりたくても、
どう近づけばいいか分からない。
自然に、ゆっくり近づいてみたら良いのかな。
なんかホラ、懐かない猫っていうか、
…小動物...リスみたいな
でも、気づかないうちに隣にいたりしたら
嫌かな、どう思うかな。
きっと、泣いてるとこ見られたくないんだろうな。
ちょうどベッドに腰掛けてうずくまってるみたいだし
隣に座って背中撫でてやろうかな。
泣いてるの勝手に見られるのも嫌だろうし。
とりあえず窓閉めとくか
...これでよし、ちょっと隣座っても大丈夫だろうか
やっぱ言ってくれないよな、
昨日会ったばっかりだし図々しかったかな。
まだ寄り添うことも出来ないのか
涙の跡がうっすら赤く腫れていて
ヒリヒリ痛そうで塩辛い気持ちになる
……
どうしよう、何話したらいいんだ…
それにしても、オイラのぬいぐるみか
やっぱり思った通りだ、あなたは優しいやつだ
おっ、そうだ、そんな毎日のように話しかけてんなら
つらい時にそばに居たり、
話聞かせてくれた場面だってあるんじゃないか?
なら、本物のこのオイラにも
ちゃんと話してくれたりしないかな。
オイラも「サンちゃん」って呼んでもらったら
話しやすいかな。
あなたのアタマをワシャワシャ撫でたら
ふふ、と、また言って喜んでる様子だった
まぁ、まだいきなり話してはくれないだろうけど
少しづつ頼ってくれるようになったらいいな
ドアを開けると
オイラの家とほぼ瓜二つだった
まあこれなら安心だな
どこに何があるかわかりやすい
確かあなたはココアも好きだったよな
淹れてきてやるか
ついでにオイラお気に入りのケチャップも
なんだか笑ってくれる頻度が多くなって
よかった…かわいい笑顔だな、
ほんと調子狂うぜ、オイラらしくない
あなたは嬉しかったのか手を握ってきて
嬉しそうに照れくさそうに、はにかんでいた
なんだか、こっちまで照れくさくなるぜ
あぁ、ずっとそうやって笑ってくれてたら
いいんだけどな…
いや、あなたの方がつらいのに
オイラが悲しい顔してたらダメだよな
なにも難しいことは考えず、
2人でずっと笑っていたい
…沈黙が流れた
どうしようか、お互いちょっと気まずい
真隣に居たあなたが、
オイラの肩に寄りかかってきた
あーぁ、最悪だな
だってこれは夢なんだから
いつか覚めるし、あなたを
引き止める方法なんか無い
オイラはあなたとベッドに倒れ込んで
キスをした
引き止めたいのに、離したくないのに
夢が覚めたらどっか行っちまうんだろ、
なんでだよ、あなた
こんな夢が憎い、お前は目の前に居るはずはのに
なんで届かない、こんなのあんまりだ
あぁ神様、酷いぜまったく…
胸が苦しくて仕方ない
お互いの苦しい感情をぶつけ合うように、
何度も何度もキスをした
あぁ、なんで居なくなっちまうんだ
そこで意識が途切れて、嫌な朝を迎えた。
まだ、口にココアの味が残っている気がした












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!