第34話

33話
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2025/05/12 22:00 更新
十亀 条
次はどうするぅ?












獅子頭連の副頭取がそう口を開くと、











桜 遥
やっとオレの番…












隣に座っていた桜君が席から立ち上がった。














獅子頭連の方からも、人の立ち上がる音がする。














しかし立ち上がった相手は、獅子頭連の副頭取ではなかった。











佐狐 浩太
……












彼は無言で誰かを指差す。














それを辿ると、その先にいたのは柊さんだった。











柊 登馬
悪ぃな、桜。
柊 登馬
オレが先だ。
桜 遥
おいちょっと待て!
桜 遥
1年二人がやって、なんでオレが後なんだよ!!
柊 登馬
お前は十亀とやるんだろ?
柊 登馬
向こうはまだ出る気はなさそうだぞ。












首を回したり腕を回したりと、柊さんは軽く準備運動をしながら話す。











柊 登馬
十亀は副頭取…
柊 登馬
本来ならオレがあいつとやるのが妥当だが
桜 遥
オレじゃ勝てねぇってのか!?
柊 登馬
そうじゃねぇよ…












柊さんは回していた腕を下ろし、一度桜君の方を振り返った。











柊 登馬
任せる。
桜 遥
桜 遥
べっ別にお前ぇに任せられなくてもやるし!勝つし!












柊さんの一言に、桜君は一拍置いてそう言い、ボスッと勢いよく席に座り直した。














顔真っ赤だ…











楡井 秋彦
あの2人は知り合いなんでしょうか…
蘇枋 隼飛
まぁ、そんな感じだよねー。












壇上に向かう柊さんの背中を見送りながら、梅宮さんが「柊は…」と口を開いた。











梅宮 一
あまり自分のこと話さないからなぁ…
梅宮 一
ま!
梅宮 一
風鈴の外に知り合いがいても、なんらおかしいことじゃないだろ。












柊さんと、柊さんの喧嘩相手が壇上に揃う。














喧嘩が始まる…かと思いきや、2人は何やら話し込み始めた。














知り合いかもって言ってし…














…というか友達という可能性も?














そうだとしたら、友達を殴るのって相当気が滅入っちゃうんじゃ…











柊 登馬
お前には悪いが…
柊 登馬
勝たせてもらうぞ。
佐狐 浩太
……












すると獅子頭連の頭取が「ねー!」と声を上げる。











兎耳山 丁子
おしゃべりはいいからさー!
兎耳山 丁子
はい、はじめはじめー!












その声を合図に、壇上の2人は同時に構えた。














相手が先に動き、柊さんに向かって一直線に駆け出して、その勢いのままパンチやキックを繰り出す。











楡井 秋彦
は…はや…












相手も速いけど…何で柊さんはあの速さに反応して避けれるの…?














呆然としていると、柊さんの喧嘩相手の足が地面から離れる。














「え…」と思っていると、喧嘩相手はクルッと空中で一回転し、その勢いで柊さんの顔に回し蹴りをした。














パァンッ!!ともの凄い音がし、思わず肩が跳ねる。














柊さんは回し蹴りにも反応し、腕で顔への蹴りを防いでいた。











あなた
……












友達だったら…って思ったけど…














あの勢いで蹴ろうとするなら……友達では、ないかもしれない…











佐狐 浩太
"悪いが勝たせてもらう"?
佐狐 浩太
今でも・・・あんたはオレのこと、下に見てるんだな。
佐狐 浩太
気色悪い。












そう言うと、彼はもの凄い眼力で柊さんを睨みつけた。











佐狐 浩太
あの頃のオレはもういない。
佐狐 浩太
身をもって教えてやる。
























そこからは激しい攻防が続いた。














獅子頭連のテンションも上がり、部屋中に声援が響き渡っている。











楡井 秋彦
ひ…柊さんが押されてる…そんな…












実際、柊さんは防御することが多く、攻撃をしても避けられ、一度も当てられずにいた。














見ていてハラハラせずにはいられない。














すると唐突に、速かった相手の動きが、更に速くなって柊さんに襲いかかった。














まだあんなに速く動けるの…!?














柊さんはかろうじて、その速すぎる攻撃を避けている。














しかし体勢を一瞬崩したその瞬間に、凄まじい蹴りをくらい、壁へと蹴り飛ばされてしまった。











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