イゾレは慌てて首を振った。
満面の笑みでマリスが胸を張る。
そう言うと、
マリスは部屋の奥に座る人物へ両手を向けた。
静かな部屋に少しだけ沈黙が流れた。
大きな机の向こう側。
ラテトと呼ばれる人物がゆっくりと口を開いた。
イゾレは苦笑いを浮かべる。
昨日の出来事を思い出す。
5人がかりでやっと倒せるような魔禍を
自分は一撃で倒してしまったのだから。
正直、イゾレ自身も理由は分かっていない。
下手な言い訳で入隊を逃れようとするイゾレ。
そこにマリスは勢いよく前に出た。
ラテトはため息をつき、頭を抱えた。
マリスが首を傾げる。
するとイゾレは慌てて手を振りフォローした。
その時。
マリスが勢いよく声をあげた。
イゾレの言葉を最後まで聞かず、
マリスはその腕を掴んでそのまま部屋を飛び出して行った。
そこにはラテトの小さな声だけが部屋に残った。
ー 魔禍討伐部隊本部 1階 ー
本部のロビーは思っていたより広かった。
ロビーに居た隊員達は忙しそうにする者や、ダラダラする者。
そして受付では何人もの磨我が書類を抱えている。
壁には討伐記録や地図など貼られており、
どこか緊張感のある空気が漂っていた。
マリスが元気いっぱいに説明を始めた。
そう会話をしていると、
休憩スペースの端っこにある
ソファーで寝転がっている者を発見した。
言われてみれば、確かにそうだった。
思っていたより、ここは過酷な職場なのかもしれない。
ー 魔禍討伐部隊本部 2階 ー
階段を上ると、長い廊下が続いていた。
両端にはずらりと部屋の扉が並んでいる。
ー 魔禍討伐部隊本部 3階 ー
3階は1階や2階より静かだった。
足音がよく響く。
廊下には人影もほとんどなく、少し不気味な雰囲気だ。
マリスが説明する。
確かに見渡してみると、
開かずの扉のような部屋がいくつも並んでいた。
その中には黄色いテープでぐるぐるになった扉もあった。
バンッと勢いよく扉が開く。
ラテトは書類に書いていた手を止め顔を上げた。
イゾレは小さく頷いた。
ラテトはそんな2人を見てから言う。
イゾレは頭を抱えた。
理不尽だった。
とても理不尽だった。
ラテトは窓の外を見た。
マリスが楽しそうに手を上げた。
ー アルカリア ー
外に出ると賑やかな声が聞こえてきた。
石畳の道を磨我達が歩き回り、商店街では客引きの声が飛び交う。
焼きたてのパンのいい香りまで漂ってきた。
ラテトは少し笑った。
その時だった。
\\\ ドゴォォォォオン!! ///
大きな音が街へ響く。
遠くで建物の影から魔禍が現れた。
周囲の磨我達が慌てて逃げ始める。
ラテトは落ち着いた様子で言った。
ひょい
ラテトはイゾレに向けて何かを投げる。
イゾレは慌ててそれを受け取った。
イゾレは拳銃を見つめる。
そして小さく頷いた。
そのままイゾレは駆け出していった。
ラテトはその背中を見送った。
マリスが尋ねる。
ラテトは腕を組む。
そして。
1分も経たないうちに……
と、キラキラとした目のイゾレが戻ってきた。
2人の声が揃った。
ラテトは呆れたように笑った。
こうしてイゾレの初任務はあっという間に終わったのであった。
あとがきです。
私思ったんですけど、テンポ感が小説というよりアニメや漫画と同じな気が……
そんなことはともかく
マリスちゃんの文章書く時凄い楽しいです。
ビックリマーク沢山打てるので。
そして差分含めラテト隊長可愛いですよね。
ね?(圧)
それでは閲覧いただきありがとうございました。
おまけの立ち絵。
友人が色々モチーフを考えてくれました。
立ち絵が小説のアイコン描こう!となった
直後くらいに描いたのでバランスが今描いた時よりいい気がする。



















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!