久保選手に " 一緒に食べよう " と
言われてから 、数十分 。
久保選手には敬語を外して貰ったが
流石に私が外す訳にはいかないので
つられそうになっても何とか頑張って
敬語にしている 。
とにかく絶対に敬語を外す訳には
いかないので 、なるべく注意して
話す 。
久保選手とやいのやいのしていると
また誰か来た 。
堂安選手 と 上田選手 だ 。
上田選手とは喋ったことはないが私の
いるところに来て大丈夫なのだろうか 。
すると上田選手と目が合って 、
あちらが にこっ と微笑んでくれる 。
暖かい雰囲気で話してくれる上田
選手に ほっ としながらも 、選手
たちとの程良い距離感を保てている
か不安になる 。
これは一体何の会話なのだろうか 。
3人が楽しくお喋りできているなら
何だっていいけれど 。
するとまたまた人が増えて来た 。
伊東選手が
「 俺の事何だと思ってんの 笑 」
と言い 、周りにいじられている 。
思わず目を見開く 。今 伊東選手
は何と言ったのだろう 。
ふと 、伊東選手の隣を見ると
耳を赤くして焦っている敬斗の姿が 。
人が多くて気づかなかった 。
( なんかごめんなさい )
ほんとに疑問しか出てこない 。
こんな嘘つき女に近ずく理由なんて
一つも無い筈だ 。
寧ろ 、近ずきたく無いのでは ?
私の頭の中はハテナでいっぱいに 。
彼が私に声をかけようとした瞬間 、
私は勢いよく席を立ち上がり
食堂を後にした 。
さっき探検してたとはいえ 、そんな
に中までは見ていなかったので私が
トイレの場所を知ってる訳が無い 。
勿論トイレに行きたいというのは
嘘だが 、ここで行っておかないと怪し
まれてしまう 。
あまりにもトイレ探しに夢中に
なっていたからか 、隣に人が来て
いたなんてわからなかった 。
しかも 、この人が原因で逃げて
来たのに 。
はい 、大アリです 。今だって
物凄くピンチなんですよ
だって貴方が居るんだもの 。
私が居ても気まずくないのだろうか 。
というか 、全然気にしてなさそう
な雰囲気 …
そんな事を考えると 、なぜか胸が
痛む 。別に敬斗が気にしていない
のなら私の望んだ未来になっている 。
けれど何故 、私はこんなにも悲しく
なっているんだろう 。
彼が言い切る前に 、敬斗から聞いた
案内を元に走ってその場所を去った 。
申し訳ないが 、このまま一緒に居る
のは少し気が引ける 。
私はずきずきと痛むこの胸の痛みを
無視して 、この場を去った 。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。