人間界に降り立つ、少し前の話……
in 天界
あっきぃが指をさしていたのは羽の部分
そう、あっとの弓が刺さったままやった
まるで
『刺すつもりなどなかった』とでも言いたそうな
脆く、あっけない
と同時に、バッと2人で矢の方へ視線を向ける
あれ?なんでやろ
不思議と、笑えてる
さっきまで、"笑う"なんて感情、なかったんに、
そう言って莉犬くんはあっきぃの持ってる物を指さした
手で顔を覆って、目元がぐるぐるしている
あからさまに動揺している莉犬くんに、俺は告げた
きっと、そうでないことを祈って
俯きがちに、目線を下へと向けるあっきぃ
……俺だって信じたないよ
莉犬くんと、ずっといたい
だからこそ
莉犬くんは、莉犬くんで笑ってて欲しい
ひきつったまま笑うその顔はぎこちなくて
そう、例えるなら
涙を、必死にこらえるかのような
まるで俺らがこの場で死んだ所を見たかのような
……そんな、顔
急に、あっきぃが声をあげる
初めて聞いたッ、、
なんそれッ、?
え?としか言ってない
俺の、能力?
俺の身体が消える直前
莉犬くんが何かを呟いた
それを確認する暇なんてなく、
俺は光に飲まれた
そして、あの顔
ひきつった、あの笑顔
……笑顔の、仮面
──────俺が剥がしてあげなきゃ
……絶対、莉犬くんも助けるッ!













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!