tgside
少し時間がたった
しんとした静かな部屋、莉犬くんのすすり泣く声だけが
聞こえる
スウッ、と覚悟を決めたように息をする莉犬くん
あ、まぜたんたちも呼ばなきゃ、
まぜたんがけちゃとあっとくんを呼ぶ
俺が莉犬くんの方にいる間、何か話してたんだろう
3人の目が腫れている
……きっと、さっきのことで泣いてたんだろうな
そしてそっと、莉犬くんを上に見上げるように
俺たち4人は正座をした
"あきぷりのこと、助けたいの"
俺含め、黙り込む
そんな事、言わないでほしい
そんなこと、思わないで
泣かないで
莉犬くんは悪くない
悪いのはきっと
─────リーダーである、俺だから
莉犬くんが何かを言おうとした瞬間
頭にキンッと鳴るような甲高い声が響く
瞬間
何、これッ、
痺れる…ッ
耐えらんないッ、
ドサッと膝から崩れ落ちる
床が見えたそこに、ザッと2人の足が見える
ブワッ
辺りに、桃色の膜がひろがる
莉犬くんを守るように隣に立つあきぷり
怒っているような、鋭い瞳
俺らを睨みつけて、威嚇するような
まるで
信じることを諦めたような
そんな、顔
─────苦しい
きっと、俺らのせいでッ
パチン!
あっきぃが、まぜたんのもっている羽を焦がした
これじゃお師匠様と連絡が取れないッ…
一筋の涙を零すぷりちゃんは、無表情で俺らを見据えて
黒ずんだ瞳で冷ややかに告げた
突然、真っ白のフードを被った天使が俺たちを包み込む
咄嗟のことに声も出せず、俺らは光に飲み込まれた
akprside
白いフードを深く被り、顔まで隠していた
顔がわからないんじゃ、誰かもわからない
壊れそうな物をつつむように
そっと、優しく
静かに嗚咽をもらす莉犬くん
その姿は何もかもを吐き出すような、
今までの縛られていた苦しみが出てきたかのように
溢れ出した涙がわんわんと流れ続けていた
……きっと、莉犬くんの葛藤は
俺らの味方であるか、または
"仲間を信じて欲しい"こと
バッ、と勢いよく顔を上げる莉犬くん
また俯いて、ボロボロと泣き崩れる莉犬くん
俺らは莉犬くんの隣に座って
一緒に嗚咽を漏らした
そう、俺らがここにいられるのは
"莉犬くん"が俺らを
守ってくれているから












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。