昼休み。
ちさの言葉が中々頭から離れず、
午前中の授業はほとんど頭に入らなかった。
治「あなた…?なんかあったん?」
心配そうに私の顔を覗き込む治くん。
『あ…ごめんね、なんでもないから!笑』
治「…ならええけど、、」
その後いつも通りちさとみよ子とお弁当食をべ、
すぐに午後の授業が始まった。
今日はなんだか、時間が過ぎるのが早い気がする、
考え事をしている時はいつもそうだ。
切り替えなきゃ、、ちゃんと授業聞かないと
父さんに失望されてしまう…
カサッ…
『ん…?』
自分の机の上に紙切れが置かれた。
隣の席_____治くんからだ。
なんだろうと思い見てみると
〝何考えてんのか知らんけど……俺が守ったる〟
『っ………!』
その言葉を見た瞬間、
一気に不安が溶けた気がした。
横を向いてありがとう、と伝えると
治くんは少しだけ照れくさそうにええよ、と言った。
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放課後。
今日は放課後にある侑くんの再テストを
見守るために、
少し長めに学校に残る。
約束はしてないけど…内緒でねっ♪
『侑くん…がんばれ、、』
だんだんと教室内にいた生徒が減っていく。
待つだけだと暇なので自習をすることにした
ガララ…
『…?』
1人の女の子が教室へ入ってきた
忘れ物かな…
するとだんだんとこっちへ近づいてくる
女「ねぇ、あんた、天宮あなた?」
初対面であんた、と呼ばれた事に少し威圧感を感じ
そうですけど…と答える。
女「話あるからさぁ、ちょっと来てよ。」
グイッと無理やりにわたしの腕をひっぱると
気づけば三階の空き教室へ連れられていた。
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『あ、、あの、、何か?』
目の前には女の子が4人。
それに身長がめちゃめちゃ高くて
きっと170近くあるだろう。
対する私は156センチだし、、。
そんな人達に囲まれるようにして前に立たれているのだ、
その威圧感と怖さは尋常じゃない。
女1「うちらさぁ、知ってんだよね。
宮兄弟と仲ええの。」
女2「そーそー、転校して来て間もないくせに
何宮くんと仲良くしてんだよ。」
『え…ええ、、』
やっぱりこうなるのか、
ちさが教えてくれたばっかりなのに、
それにシューズの色を見ると2年生。
ああ…同い年か。
女3「ちょーっと顔が良いからって
調子乗ってんなよ。うちらよりブスなくせに。」
『ごめんなさい…』
可愛くないのはわかってるし、
調子にのってなんかないのに…←※実際は絶世の美女
女4「申し訳無く思ってんならさぁ、
もう宮ツインズに関わらんといてや。」
『…っそれは…嫌です。』
だって、私の悩みを真剣に聞いてくれたり、
毎日笑わせてくれたり、
2人は私にとって大切な友達だから。
そんな簡単に切れるような関係じゃない。
少なくとも私にとっては。
女1「は…?口答えすんなや!」
ドカッ…!!
『きゃ…!』
いきなりお腹を蹴られ、壁へ飛ばされる。
痛い……、
蹴られた所が激痛で思わずお腹を抑える。
女3「あんま派手にしたら先輩のとこまで聞こえるって、、」
女1「女の先輩らだってうちらと同じ考えっしょ。」
女2「この際コイツボロボロにしたらええんちゃう?笑」
『っ…!?やめて…!』
ドカッ!
女4「あんたの綺麗なお顔も体と一緒にボロボロにしてやるよ。」
ガシッ!!
今度は髪をひっぱられ、痛くて悲鳴を上げる。
『っあ…痛っ…、、!』
もう4発ほど蹴られただろうか。
脇腹や手足、髪もひっぱられたから頭も痛む。
すると今度はひとりの女がわたしに馬乗りになって
拳を振り上げた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。