前の話
一覧へ
次の話

第5話

彼女の問い🖤
966
2023/06/13 11:41 更新
ある日、朝食を食べているとき向かいに座っている彼女が俺に問いかけてきた。














あなた
ねぇ、蓮。




あなた
もしさ、































あなた
私が死んだら新しいお嫁さん作る?















そう彼女の命はもう、長くない。







本人から伝えられたのは昨日のことだった。




はじめは何を言っているのか分からなくてこれが現実だと思い知らされた。
目黒蓮
え、何で?
あなた
んー、だって蓮くんモテるでしょ?
あなた
まだ若いんだし、
あなた
出会いの場もたっくさんあるからさ…
目黒蓮
…あなた?
あなた
その、私が目の前から消えても悲しんでほしくないの。
あなた
ずっと笑顔でいてほしいんだ、
あなた
だからs、
目黒蓮
あなた。
俺は耐えきれなかった。
こんなにも元気な彼女がもうすぐいなくなるだなんて考えてもいなかったし、まだ信じきれてない自分もいる。
彼女は困ったり悲しんでいるとき手と手を擦る癖がある。






まさに今それが出てしまっていて彼女の心の内を覗いているみたいでなんだか気味が悪かった。




動きを止める様子がないその手をあなたの死への恐怖で震えている俺の手で包み込んだ
あなた
……ほんとはね、離れたくない、
目黒蓮
そんなのわかってる。
誰よりもあなたを愛してる自信がある。
目黒蓮
もう、
目黒蓮
この話はやめよう。
目黒蓮
大丈夫。きっと明日は来るから。
あなた
そう、だよね。
あなた
ありがとう。















………………………………………………………………………………













    


結論を言うと彼女に明日は来なかった。






あの日の夕方、自宅で急に倒れそのまま息を引き取った。






冷たくなった彼女を抱きしめながら救急車を待つことしかできなかった俺はとんでもなく不甲斐ない。
彼女は死の淵でまたこの言葉を涙で顔をぐしゃぐしゃにしている俺に投げかけてきた。
 

















あなた
れ、ん…はさ
あなた
私が、死んだ…ら新しいお嫁さん作る、の?
目黒蓮
作んない、作んないから!
目黒蓮
ちゃんと息して!!!呼吸を止めるな!!
目黒蓮
あなた、?あなた!!!
目黒蓮
あなたーーー!!!!!!!!!(泣)






俺は、これからの人生あなたを見殺しにしてしまったこと、あのとき、焦って何もできなかったことの負の十字架を背負って生きていく。










ごめんなさい。あなた。















finish

プリ小説オーディオドラマ