8月某日、初めましてお化け屋敷でバイトをしています、佐藤沙月、22歳です。
趣味は芸能人の追っかけですが夏ライブが延期になったのでその間びっしりとこのバイトをしています。そういえば、お化け屋敷って本物の霊もいるとか言うじゃあないですか、私それホントだと思うんですよねだって今もあなたの後ろに...!!
すみません、驚かしてしまって...え、驚いてない?あなたの後ろじゃなくて私の後ろに何がいる?
そうなんですよ、8月某日、私は半透明のビニール袋の様な少年に憑かれてしまいました。
歳は12歳程でしょうか、くそ生意気な奴です。
私の弟にそっくりです。
バイト中はずっと居ます。
こいつです、牧村廉12歳。
10年前に誰かに殺されたそうです。
12歳と言うのは生きていた時の年齢で今生きてたら22歳。つまり私と同い年なのですが、脳みそは12歳のままなのでまだまだ子供らしさのある奴です。
まぁ脳ミソないんですけど。
これが彼の口癖、なんて物騒なのでしょう。
こいつが言うには自分は誰かに殺されたから俺を見つけたアンタが俺の犯人を探してくれだそうで。
まぁこんな奴が一生付きまとうなんて私もごめんですしバイトの休みを使って人探しをしているという訳です。
ですがレンに付きまとわれてここ数日、なんの進展もなし。思い返してみれば彼の死因もろくに分かっていないんですよね。
犯人がいる気がするというふわっとした事しか覚えてないらしいし...。
何かを思い出したかのようにレンは目を見開きこの遊園地内で1番目立つ観覧車を指さす。
何か思い出したのだろうか、事件の断片を...。
あぁ、こいつはそういう奴だった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。