目の前にある一台の手押し車と、
それに乗せられている大量の米と金。
それは異様な圧を放っていた。
しかも看板が立てられており、
「 時行様へ 必ず持っていくべし 」と書かれていた。
頼重が、見ている。
心配そうに見ている!!
私達は小屋を出る。するとそこには、
そこには大量の刀や、衣服。狼煙や炭、毛布など。
大量の物質が置かれていた。
しかも先程の看板まで添えて。
私は気づいた。
頼重が、見て来る。
暇なカレー屋の店主の様に、じっと見てくる!
我々は馬で諏訪の北まで駆ける。
諏訪領の現在の北端。中山庄。
雫が地図を手に広げた。
何か、微かな物音を感じた。
私は念の為小刀を抜く。
今一瞬だけ感じ取れた、明確な違和感。
刹那。
ギィィンッ!!
刃と刃がぶつかり、
混ざり合う事による衝撃音が鳴り響く。
違和感の正体。それは明確な敵意。
茂みから目の前に出て来たのは、
水色の長髪を一つに纏めた十代半ば程の一人の少年。
そうなれば相当の手練。
面倒な事に、我々は今囲まれている。
辺りには松明を持った伏兵が多く潜んでいた。
正面から向かってくる二刀使い。
私はその刀をギリギリで受け止める。
軽量で瞬発性を重視する暗殺型の私では、
今回は相手が悪すぎる。
真っ向での力比べではまず勝てない。
それに気づいた二人が即座に入れ替わる。
自主練も結構してるらしいし、
私も負けてられないな。
若には何か思うところがある様だった。
二人共、どんどん力を付けていく。
もっと、私が強ければ。
その時二刀使いが二人から一度距離を取った。
吹雪とやらは刀を地に置くと、
膝をついて軽く頭を下げる。
その少年は名乗る。
敵が居なくなった事で心に余裕が持てた。
だから中山庄を一望してみたのだが、












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。