あぁ、やだ。やだ。完ぺきでいないと…また前みたいに…
私は記憶がほとんどある。小さいときに捨てられた。
私はA国のアルン家の跡継ぎとして生まれた。アルン・エーミール。だけど、全然物覚えが悪くて、弟の方が必要とされてた。だから、捨てられた。親は私をいなかったことにした。
完ぺきでいなきゃまた捨てられる。せっかく我々国の幹部になれた。必要としてもらえた。完ぺきでいなければ…
そんなことを思ってしまう。夢を見るから。いつもいつも、あの頃の夢を。朝から毎日気分が悪い。急いで着替えて、朝食をとりにいく
「おはようございます」
「おお、エミさん!遅かったな!」
「飯、食べるぞ」
そう言って皿いっぱいにおかずを盛ってニコニコしている彼はゾムさん。
「朝からこんなに…笑」
そう言って苦笑いをする。彼は遠慮なく次々と山盛りの皿をもってくる
「さ、遠慮せず食べろ!」
近くにいた人に助けてくれと視線を送る。だがみな彼の食害を怖がり逃げていく。
「はぁ。食べますか…」
食べきれなかったのは言うまでもない
ーーー
お腹がいっぱいになり、すぐにでも休みたいがそうも行かない。私は完ぺきでいなければならない。だから仕事をする
「エミさん、毎日そんな量こなしてすごいなぁ。大丈夫なんか?」
そう言って心配してくれる彼はトントンさん。頼りになる人だ
「大丈夫ですよ。仕事って暇にならないのでむしろ好きなんです」
「はぇ~どこかの総統とはちゃうなぁ」
そういった瞬間近くにいた男がビクッとし、そっぽを向いて口笛を吹く。トントンさんの言っていたグルッペンさんだ。
「あはは、ありがとうございます。」
それからひたすら仕事をこなしていると、いつの間にか1時をすぎていた。お腹がすいたので食堂に行くとやはり彼がいた。だが今回は違う人に食害をしているらしい。
「ほらどんどんたベろやwww」
「無理やって…」
「気持ち悪い…」
コネシマさんとシャオロンさん。
「あれ、エミさんもおるやん!」
すぐに気づかれてしまった。逃げようと思った瞬間には目の前にいた
「さぁ、たべるで!」
まぁ食べきれなかった。
午後は訓練をした。私は体力が少ないから、訓練を多くしないと足手まといになる。完ぺきじゃなくなる。だけれど、一人でずっと練習するのも退屈だ。
「ロボロさん」
おん?と振り返った彼はビックリした顔をした。私から話しかけることなんてほとんどないからだ
「訓練、手伝ってもらえませんか?」
「俺、剣なんて久しぶりやからへたやで?」
「私の方が下手ですよ。入ってきたばっかりですし。」
私がここに入ったのは一ヶ月前。もちろん剣を始めたのも入ってからだ。
「だから、お願いできますか?」
「うーん…わかった。」
「ありがとうございます。」
ーーー
訓練場に着くと、彼は久しぶりやなぁと言っていた。確かに、彼が練習をするところは見たことがない。彼はいつも指示を出しているから戦いはしないのだろう。
「お願いします」
「おう!こいや!」
彼は久しぶりだから下手だと言っていたが、そんなことはなかった。すぐに負かされてしまった。
「けっこう体が覚えてるもんやな」
そう言って倒れてしまった私に手を差し伸べてくれる
「あはは、まだ私には早かったですね」
私は手を取る。
「あれ、ケガしてるやん。大丈夫か?」
「あれ、本当だ。」
膝から血が出ていた。
「しんぺいのとこいけるか?」
「大丈夫ですよ。」
「おう、すまんかったな。」
「いえ、ありがとうございました」
私はスタスタとしんぺいさんのいる医療室へと向かった。
医療室についた私は、来たことがないのでどう声をかければいいのかわからなかった。よく思い出したらしんぺいさんにはきたばっかの時以来話してないかも…
そんなことを思っているとドアが開いた。
「あれ、エーミールやっけ?どうしたの?」
「あ、えっと、膝をすりむいてしまって…」
「あらら、すぐに消毒するからあそこ座ってね」
「はい」
そう言って慣れた手つきで消毒をして、絆創膏を貼ってくれた。
「はい、出来たよ」
「すいません。ありがとうございます。」
「ううん。じゃ、お大事に」
訓練をする気にはなれない。部屋に戻って、仕事をしようか。そう思ったが、仕事は午前中に終わらせたからもうない。久しぶりに本を読むことにした。
ーーー
コンコンコン
部屋に戻って少し本を読んでいたら、ノックの音が聞こえた。
「はーい」
ガチャ
ドアを開けるとオスマンさんがいた。
「やっほ~」
「どうされたんですか?」
「エーミールは紅茶すき?」
紅茶は昔から大好きで、そこそこ詳しい
「はい。大好きです。」
「良い紅茶が手に入ったんだけど、一緒に飲まない?」
「ぜひ、お願いします」
そんなに話したことはなかったけど、すぐにうち解けられた。すごく話のしやすい人だった。
「ありがとう。楽しかっためう」
「いえ、こちらこそ。」
話に夢中になっていて気づかなかったがもう5時になっていた。
部屋に戻ってベッドに寝転んだ。
「少し、寝ようかな…」
今日は疲れてしまったからか、すぐに眠れた。
ーーー
……ル
「エーミール!」
「あ、すいません。」
「もう夕食やで」
起こしてくれたのは鬱さん。
「ん…ふぁ~」
「はよしてや」
「はい」
夕食はさすがに大丈夫だろうと思ってたらまた彼がきた
「エミさぁ~ん!」
「さ、さすがにもう無理ですよ!?」
「そんなことないやろ!さぁ食え!」ニッコニコ
私が困っているとトントンさんが助け船を出してくれる
「ゾム、エーミールつかれてるんやしさすがにやめーや」
「お、じゃあトントンが食べてくれるんやな!」
「そうじゃない!」
「ほら、遠慮せずたべるんや!」
「うわぁぁぁ」
申し訳ないと思いながら私は早く食べ、風呂に入った。
「ふぅ…」
今日もつかれた。早く寝てしまおう。
ーーー
バタン
部屋に戻るとすぐに布団に潜り込んだ。
疲れていたから、すぐに眠れた。









![[参加型?]空の上で最後の遺言を、](https://novel-img-gcs.prepics-cdn.com/prcmnovel-tokyo-prod-converted-images/p/fLidrLhRSUUik4ZkTr7M83BhU0V2/cover/01KCTXMWS5RZ2WT40YN9XJ0C3Y_resized_240x340.jpg)


編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。