あなたSide

お疲れ～、ありがとーと声を掛けながら選手たちがわたしのもとにやってくる







あらあら、みんな橘さんの方にも行かないとかわいそうですよ








まぁ最初からあんなとっつきにくい態度だしね










あ、もう籠が空になっちゃった

ふふっ橘さんは知らないよね









わたしが作るドリンクは濃さが違うのよ♡









薄いものから順番に籠に入れて、色々な濃度のものを作ってるの









選手たちは自分の好みの場所から取っていけば好きな濃さで飲めるってわけ









流石に人数が多すぎて一人一人個別に作ることはできないけど、この方法ならみんな満足してくれる






１年生の好みによってまた作る数が変わるけど、それは追々調整していけばいい









きっと生真面目な橘サンが作ったドリンクはぜ～んぶ同じ味なんでしょ？









わたしの作るドリンクに慣れた2.3年生にとっては橘さんのじゃ物足りないだろうな～









ごめんなさい、今日は我慢してください









そして橘さんとわたしの差を実感してください♡









ほんとはわたし、ちゃんと教えようとしたんだよ？









でもそれを拒否してきたのは橘さんだし









ちゃーんと先輩の言うこと聞いておけばよかったのにね？








橘さんを馬鹿にしまくっていると、1人の子がおずおずと私に近づいてきた

この子、可愛らしい顔だな～って思ってた子だ！

あっ名前呼ばれてちょっと驚いた顔してる。








ふふ、もう既にわたしは新入部員の顔と名前は全部覚えたんだから








千鳥山中元リベロの皇伊月（ｽﾒﾗｷﾞ ｲﾂｷ）








小柄で可愛らしい、アイドルみたいな子だ








仰々しい苗字とその整った容姿のギャップに入学して既に非公式のファンクラブが出来るほど人気がある







…本人は気づいてないみたいだけど








正直バレーよりモデルとかの方が似合いそうだけど実力は折り紙付き

緊張してるのかな？顔が真っ赤になってる

相槌を打ちながら話を聞いてあげる









緊張した子にはゆっくり促すのが1番だからね









大方ドリンクの濃さの相談だろうな









自己紹介の時に言ってたし

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