第8話

再挑戦へのチケット
160
2025/12/12 07:10 更新
歌声と賑やかな歓声が響く。

そんな中、私は仕事…のはずだったんだけど…、なぜかお兄ちゃんと一緒にイベントを回っていた。
遊木真
はい、あーん
あなた
…………今回ははめられる気ないからね
遊木真
…じゃあ、いらないの?
あなた
……いる、けど
遊木真
じゃあ、ほら。あーん
あなた
(美味しい…けど、なんでお兄ちゃんこんなことして照れないんだろう…)
遊木真
(あーん♪ってやつずっとあなたにやってみたかったんだよね…2回目だけど、すっごいドキドキしてる…)
遊木真
(まぁ、泉さんのせいで「あーん♪」に多少のトラウマはあるけど…)
あなた
って、こんなことしてる場合じゃなくて!
仕事あるから、お兄ちゃん、ちょっと…
遊木真
ああ、そのことなら…気にしないで大丈夫だよ
あなた
え?
遊木真
仕事のことなら…
《イベント前日》
遊木真
ってことで、最近あなたがしんどそうで…あの子のことだから、絶対気負いすぎてるんだと思う
衣更真緒
なるほどな…でも、正直プロデューサーに離脱されると結構大変だぞ〜?
遊木真
そうなんだよね…でも、このままやらせても多分途中で倒れると思う。最近夜通し衣装の手直しとか他のプロデューサー科の人に説明するための資料とか作ってて…
衣更真緒
………ちょっと、こっちも忙しくなるぞ?
遊木真
………ってことがあって…、今は、あなたの分の仕事を少しずつプロデューサー科の人に手分けしてもらってる
あなた
うん……ありがとう、お兄ちゃん。……でも、私、もっとちゃんと頑張れればよかったな…
あなた
…お兄ちゃんが悪いんじゃないの。お兄ちゃんがやってくれたことは、私からして正直助かったし、このままじゃ倒れるってことも…正直、分かってた。自分の身体のことだし
遊木真
…うん、
あなた
だけどね、…だからね、倒れてもいいから頑張りたかった…!
みんなで、頑張って準備をしてきた。

たくさんたくさん考えて、夜通し準備をした。

キツかったのも、本当。

だけど………初めてのプロデュース、…もっと、ちゃんと頑張りたかったよ……!
あなた
お兄ちゃん、謝らないでね。
お兄ちゃんは、私のために色々やってくれたんでしょ?
遊木真
あなた、
私の背中にお兄ちゃんの手が回る。

距離が近づいたかと思うと、私はお兄ちゃんの温もりに包まれていた。
遊木真
今日は、いいよ。楽しんでも、いいよ。
遊木真
あなたは頑張ってきたから。
自分が準備を頑張ってきたこのイベントを、自分が目一杯楽しんであげなきゃ。
遊木真
そうじゃなきゃ、楽しんでもらうために準備を頑張ってきた今までのあなたがかわいそうでしょ?
あなた
あはは、そうかな……そう、なのかな
遊木真
そうだよ、大丈夫だよ、あなた
あなた
………そうだね、少しでも……いい思い出に、しなくちゃね

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