バーノン side_______________

スケジュールが終わって帰ってる時、ヌナを見つけた。

声をかけに行こうと思って近寄ってみると、今にも死にそうな顔をしていて、もしかして刺傷が傷んでるのか、もしくはまた傷口が開いてしまったのか、と心配になった。

目を潤ませて、俺を見つめる。

正直、すごく可愛い。

無言で首を横に振られる。

そして、缶飲料を一口飲んだ。

その缶を見てみると、酒だということがわかる。

泣きそうな声でそう言われた。

どうして？スングァニはヌナを嫌うことなんてなかったのに。

酒に溺れながら懇願してくるヌナは少し惨めに思える。

そんなところも俺は好きだ。酒飲んでるとはいえ、こういう惨めな姿を晒していても、実際はしっかりしていて強くて心が優しいことを知ってるから。

まあ、サイコパスで野蛮で暴力的ではあるけど……。

どっちが本当のヌナなのかさっぱりわかんないんだよね。

そう聞くと、ヌナは無表情になった。

地雷を踏んだかもしれない。嫌われるのは俺の方か。

わからないのか。

フニャフニャっと笑みを浮かべた。

落ち着いた声色で、そう言った時に、俺は何かを感じた。

このヌナ、なにかちがう。

可愛いっちゃ可愛いんだけど、なんか、目の奥が暗いような……。

難しいな。いや、簡単か……？

カトクを見てみると、だいぶ探してる様子がうかがえる。

スングァン｢ヌナ見た？｣

『うん、今一緒にいる。〇〇公園』

スングァン｢わかった、僕らも行く｣

缶を一気に飲み干して、めちゃくちゃ困った顔をする。

可愛いな。

え、どうしよ。抱きしめていいかな。いや、抱きしめたら俺が悶えそう。え、可愛すぎるんだけど。

子供のようなヌナに、なんとなくオッパの心が揺さぶられて、頭を撫でてしまった。

キョトン、とした顔で俺を見つめ、顔を手で覆った。

知ってる。俺イケメンだもん。

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