大吾side
流星が次に学校に来たのは次の週の水曜日のことやった。
『西畑くんへ
今日流星来てます。
流星に、流星のこと大ちゃんに伝えたよって言ってから
ソワソワしとるからいつも通り接してあげてな!
俺はちょっとの間保健室におるから〜。
大橋より』
・・・
〜放課後
大吾
「失礼します…」
流星
「あ、大ちゃん!」
自習室に入った瞬間流星とバチリと目が合って、とてとてとこちらに歩いてきてくれた。
大吾
「もう元気なった?」
流星
「うん、げんき〜」
いつも通りのように見えて、はっすんからの手紙の通り、流星はこちらの様子を伺うようにソワソワしとった。
うん、なんかちょっと、気まずいって思われてるかも。
大吾
「あの、はっすんから聞いたんやけど…」
流星
「! う、うん、」
大吾
「その、無意識に流星が嫌なこととかしちゃったらすぐ言うて?俺、流星とほんまに仲良くなりたいから」
流星
「ええの…?」
大吾
「え?」
流星
「僕と、仲良くなってええの…?」
流星の過去は全然知らんけど、昔人間関係で何かあったのか、俺から仲良くなりたいと伝えられたことに不安を隠しきれない様子やった。
大吾
「むしろ、仲良くなりたいから。俺からのお願い。だめ?」
流星
「え、ううん!だめやない、あの、僕も、大ちゃんと仲良くなりたい……だめ?」
きゅるんとかわいらしい効果音がつきそうな上目遣いをされて俺の心は一発KO…。
大吾
「ええに決まっとるやんっ!」
勢いでぎゅっと抱きしめると、「っわ?!大ちゃ、くるし〜…!」と暴れられてしまった…苦笑
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。