みんなが続々と練習室に入ってきて、
最後にジェミニオッパが入ってきた。
「オッパ、スマホ…、」
私は頼んだ身でありながらも、なにか大事な連絡が入ってないか気がかりで
すぐにジェミニオッパのとこに駆け寄った。
JM「…あ~、はいこれ。」
「コマウォ~!」
私はジェミニオッパにスマホを貰うやいなや、
すぐに通知を確認した。
幸い仕事関係の連絡は来てなくて、友達から何件かだけだった。
「よかった~なんも来てなかった。
オッパ、コマウォヨ~」
JM「うん、。」
なんだかジェミニオッパの表情が暗い気がしたが、
そこまで気にせず、準備を始めようと自分の荷物の場所に向かう。
JM「…ちょっとまって、あなた」
「え、?」
私がジェミニオッパに背を向けて歩き出そうとした瞬間、突然左手首を掴まれた。
JM「あのさ、」
「…なに?」
いつもと少し違うジェミニオッパの態度に、私は少し体に力が入ったのがわかった。
JM「あなた、どっか具合悪いの?」
「え、?」
JM「どうなのあなた。」
「…全然元気だよ!どしたのそんな怖い顔してㅎㅎ」
珍しく真剣に目を見て話してくるジェミニオッパに少し疑問を持ちながらも、私はそう答えた。
それにしても突然なんでこんなことを聞いてくるんだろう。
見た目など、特に人に伝わるような変化はないはずなのに。
私は少し不安を持ちながらも聞いてみた。
「なんでいきなり、?」
JM「…なんか顔色悪かったから。」
返ってきた答えは案外単純だった。
JM「ごめんね急に。体調大丈夫ならそれでいいから。」
そして掴んでいた私の手首を離して、何事も無かったようにみんなの元へ向かっていった。
なんだったんだろう、。
正直ジェミニオッパは鋭いから、気づかれてしまわないか心配だけど、
やっぱりまだ、みんなに病気のことを言える勇気は持ち合わせていない。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!