シャワー浴びなきゃな。
そう思いながらもソファに寝転んでスマホをひらく。
見れば、春希さんから
「待ってるから来いよ」
とメッセージがきていた。
少し考えて、
「わかりました」
と打つ。
そして未読スルーしていたツバサさんの方も、
「すみません。次は今週の金曜日に行きます」
それだけ打ってスマホをとじた。
(シャワー浴びてたら遅くなっちゃった)
昨日、あのまま寝落ちしてしまい、気づけば朝。
午前の講義があることをすっかり忘れていて、爆速で準備して出てきたものの、大学に着いたのは授業が始まるギリギリだった。
いつもは前の方に座るけど、今日はさすがに後ろの席に座る。
(………ん?)
あれっと思いカバンを漁る。
おかしい。ない。
授業で使う教科書が…ない!
ゴソゴソとカバンを漁っていれば、開かれた教科書が目の前に出された。
そこには何故か、クラブで出会ったていくさんが座っていた。
食券を買おうと手を伸ばした瞬間、腕を掴まれる。
そう言えば、
ていくくんは呆れたような顔をする。
そう言って、
ポンっと頭に手を置かれる。
耳元でそう囁いた彼は、
同じ歳とは思えないほど大人な表情をしていた。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。