*あなたside
さっきからずっと手を繋がれたままです。
そろそろドキドキしすぎて死にそうです…
というか、どこに行ってるんでしょうか?
その声で顔を上げると…
いちごタルトが有名なカフェ
しかも、毎日長蛇の列でなかなか入れない。
行ってみたいな〜って思ってたところ。
今日も列が出来てて入るのに時間がかかりそう…
なのにその列を無視して入ってくいのちゃん
なんて笑顔で言ってくるけど
なにが大丈夫なのさ。
そのまま、奥の個室まで連れられてきた。
どういうこと…?
いつも言われてる言葉なのに…
今日はいつもよりドキドキするのはなんで?
注文したらすぐにやってきた
私はやっぱりいちごタルト
いのちゃんは桃のケーキ
私がどっちにするか迷ってたら、俺が桃のケーキ食べるよって…
なんて言うから、いいよーってフォークをあげようとしたら…
ずっとダダこねてる笑
しょうがないな、ここに連れてきてもらったし…
ちょっと恥ずかしいから、なにも言わずにあげた。
うれしそうに笑ってるのは、子供みたいでかわいい
ふと、桃のケーキを見たら全然食べてない。
まって!
いのちゃんって桃嫌いじゃないっけ…?
はぁー、ほんと伊野ちゃんには敵わない。
私が行きたいところも知ってて、食べたいものまで分かるなんて…
しかも、嫌な顔一つしないで。
それどころかめっちゃいい笑顔で
…ほんとに優しいし、かっこいい
いつもなら普通にしてるのに
今日は恥ずかしい…
…ちがうよね?いのちゃんがデートとか言うからだよね?
悩んだけどやっぱり食べたいから、口を開く。
顔が真っ赤になってるの気づかれないといいな…
そう言って、満面の笑みをこぼした
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。