第5話

毛編みのセーター
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2024/04/05 11:08 更新
「お願い、怒らないで聞いて欲しいんだけど…」

珍しく私の事を静かに起こしたなと思えば、リビングで開口一番にこんなことを言ってきた。

毎朝不機嫌そうに私の事を起こすのに、おかしいなとは思っていたが…またなにかドジしたのだろう。

母との付き合いも15年、昔からドジなのは変わらないため今更驚くことは無い。

申し訳なさそうなこの声も、何百回と聞いている。

「なにしたの」

反抗期真っ只中の私はいつも通り、素っ気ない返答をする。

「昨日、間違えてあなたのセーターを洗濯機で洗濯してしまって…縮んでしまったの。本当にごめんなさい、お気に入りのセーターだったよね、」

はー最悪。まじ有り得ないんですけど。

あれお揃いのやつ、友達とお揃いで買ったセーターなんだけど。

あ"〜無理最悪。

「…まぁ、別にいいよ。今更どうしようもないし」

自分の本心を言ってしまっては、母を傷つけるだけだ。

そんなことするくらいなら、きっと冷酷な反応の方がいいだろう。

どうしようもないのも事実だが。

「本当にごめんね…同じセーター、買い直す?」

「…いい。買い直さなくていい」

「あ…ごめんね」

買い直したのは、友達とお揃いで買ったものとは違う。

それはただただ買っただけのセーターに過ぎない。

そんなのは要らない。私が大切にしていたのは、あの時2人で買ったセーターだから。

「…ごちそうさま。いってきます」

イラつきを隠しきれず、そそくさと朝ごはんを食べ終えて玄関を出た。

「…いってらっしゃい」

………申し訳なさそうにすんなよ、空気悪い。



「ってことがあったんだよ〜ほんとごめん…」

休み時間。何気ない普段の会話の中、今日の朝の話をした。

「もうあのセーター着れなさそうだからさぁ…今度遊び行く時、なんか別なのお揃いで買お!私があんたの分も買うから!ほんとにごめん!!」

手を合わせながら頭を下げる。

私もそうだが、友達も物はとても大切にしている。

それこそ、お揃いの大切なものだ。

ちゃんと謝って、私のせいではないとしても、ちゃんと……

「え"、それまじで?」

黙って聞いててくれた友達が、やっと声を発した。

「いやほんとにごめん!ほんとに……え、なんでお前そんな目真ん丸く…」

「…あんたパクった?」

「………………はい?」

何言ってんのこいつ?私の話聞いてた?

「昨日、あたしら2人で出掛けたじゃん?」

「うん」

「あたしもあんたも、セーター着てたよね。あんたのお母さんが縮めちゃったやつ」

「うん」

「あたしも」

「………は?」

「あたしも、そのセーター洗濯しちゃって、縮んで着れなくなったの」

「……………はぁあああ!?!?!?」

「いやそれはこっちのセリフな!?話聞いててデジャブでも見せられてんのかと思ったわ!!」

「いやいやいや…有り得んってまじ…」

「ほんとあたしらの親、なんでこんなにアホなんだろ…」

「いやまじそれな」


「てかさ〜、あたしら2人ともセーター縮ませちゃったなら新しいのとか買わなくて良くね?」

「えーでもちゃんとしたのあった方がいいじゃん」

「うん。だから」

「………だから?」

「だから、縮んで着れなくなったんでしょ?なら作ればいいじゃん。毛編みのセーターなんだから、マフラーでも何でも、それ使って編めば作れるじゃん」

「………えお前天才じゃん!!」

「だろだろ!?よっしゃそれならはやく作ろうぜ!」

「はよしないと冬終わるしな…よっしゃ作ろ!」

あ"〜…あとで母親にお礼言っとかなきゃだな…

災い転じて福となす、って、まさにこのことじゃん。
今回もこちらを元にして作りました⸜🙌🏻⸝‍
危うく殺人現場になるとこでした…()
ほら、「怒らないで聞いて欲しいんだけど、」から始まる不倫浮気物語だよ。お揃いかなんかの適当なマフラーで首絞めちゃったらあらま死んじゃった、災い転じて自殺現場に出来たよ捕まんなかったよ新しいパートナー見つかったよほら無限ループだよ、とか()
前回よりは上手い…はず…🫠
読み返すと意味不やななんやこれ(
※3月にこの話作ってます。想定では1月2月の物語です。今4月とか知らん聞こえへん()

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