-TAKUYA side-
僕には高校生の時から付き合っている彼氏がいる
2歳年上の、大型犬みたいに可愛くてかっこいい自慢の恋人だ
2人きりでいろんなところに行ったし、いろんなこともしてきた
だから彼についてはなんでも知ってるつもりだった
たった一言だけ言葉を交わし、聖哉君はすぐに僕の視界からいなくなった
何年もの付き合いだし、あの2人とも自分自身関わりがあるから心配はしていなかった
聖哉君がいない日は何もすることがなくて本当につまらない
家でゴロゴロしようとしたけど、風に当たりたい気分だったから少し遠出してショッピングに出かけた
久しぶりの買い物でワクワクしながら散策している時だった
女性の声と、すごく聖哉君に似た声がしたんだ
気のせいじゃないはず
でも森兄弟と出かけてるはずじゃ?
女性?人違いかな…?
思わず振り返ってみると、聖哉君と綺麗な女性が仲良さそうに話していた
距離も近くて他人から見ればカップルだとも思われそうな雰囲気を漂わせている
…どうして?誰?僕は??
意味がわからない
混乱しすぎて頭が痛くなってきた
裏切られたのかもしれない、でも聖哉君はそんなことする人じゃない
それは僕自身が1番分かっていたはず
でもどうすることもできなくて、近くのカフェで少し頭を休ませた
誰かに話さないとこの気持ちが収まらない気がして、なんとなく史記君に連絡をした
…連絡が途切れた
本当に来るつもりなのかあの人は
でも来てくれたら結構安心するしこのままでいいかも…












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!