第40話

仙妖古文書の怪 Ⅸ
5
2025/11/04 08:00 更新
私たちは庁舎の中に駆け込んだ。中は真っ暗で足元に気をつけつつ進まないと転ぶような廊下を私たちは進んでいった。
しばらく奥の方に歩いていると巫女が一人飛び出してきた。
巫女
巫女
なんの用です?今、神託を伺い立てしているんですけど、勝手に入るようならここから追い出しますよ?
綺羅
綺羅
ち、ちょっと待ってください!
私たちは巫女に事の次第を説明した。話を聞いていくうちに巫女の顔が蒼白になっていった。
巫女
巫女
そんな…そんな危ないことが起きていたなんて!
千歳
千歳
というわけですから、通らせては頂けないでしょうか?緊急事態なんです
巫女
巫女
…あなたたちは最近名が通り始めたものですからいいでしょう。でも、他の巫女たちにも警戒するように声をかけていかないといけませんから、時間は掛かるかと思われますが…
千歳
千歳
構いません
私たちは庁舎のさらに奥に進んでいった。庁舎の奥は薄明かりが灯っており、天井には豪奢な金細工が張り付けてあり、漆塗りの柱が何本も立っていて、息苦しくなるほどの香が焚かれており、荘厳な雰囲気を醸し出していた。
巫女
巫女
つきました。ここです
巫女が奥まった御簾の向こうの本殿らしき建物の前に座り何かを唱えた。すると本殿の前に光の玉のような物が緩やかに点滅しながら出てきた。
千歳
千歳
こ…これが…
綺羅
綺羅
綺麗…
巫女
巫女
はい。こちらが政神様です
揚羽
揚羽
始めてみました!
政神様を直接見たことがなかった私たちにはその光が神々しく見えた。
巫女
巫女
政神様
巫女が話しかけると光の玉ー政神様は答えるように点滅した。
巫女
巫女
何か変わったことはございますか?
光の玉はしばらく点滅をやめていたが、やがて少し暗くなった。きっと否定なのだろう。
巫女
巫女
変わったことは特にない、ということです
千歳
千歳
ふう…
葵
肝を冷やしましたねえ
ひやしんす
ひやしんす
もし、政神様に何かあったら、どうしましょうか
巫女
巫女
そうですね…政神様ごと一時的に封印して、あとでその怪異を引き剥がして封印する。これでどうでしょう
祈祷師様もそこにおられるわけですし、と巫女は付け足した。
千歳
千歳
えっ!?ここの巫女さんって、封印できないんですか?
巫女
巫女
はい。私たちは神託を伺うのに特化しているわけですから
祈祷師
祈祷師
ま、わかったよ。…あたいにできるかどうかわからないけどね
祈祷師はあたいの他にも腕の立つ祈祷師は何人かいるわけだし、封印する時にはその人たちを連れて行くよ、といった。祈祷師の腕が上がったのはここ最近のことだ。何かあってもおかしくはない。
巫女
巫女
ありがとうございます。それでは私たちは封印の準備を始めます
千歳
千歳
…あの、それって、私たち、帰ったほうがいいですか?
巫女
巫女
…見ても構いませんが、あまり面白いものではありませんよ
綺羅
綺羅
まあまあ、せっかくの機会なんですし
その時後ろから大きな足音が聞こえ、人々が騒ぐ声も聞こえてきた。
巫女
巫女
何があったの!?ちょっと、私見てきます
巫女は立ち上がり、部屋から出ていった。

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