私たちは庁舎の中に駆け込んだ。中は真っ暗で足元に気をつけつつ進まないと転ぶような廊下を私たちは進んでいった。
しばらく奥の方に歩いていると巫女が一人飛び出してきた。
私たちは巫女に事の次第を説明した。話を聞いていくうちに巫女の顔が蒼白になっていった。
私たちは庁舎のさらに奥に進んでいった。庁舎の奥は薄明かりが灯っており、天井には豪奢な金細工が張り付けてあり、漆塗りの柱が何本も立っていて、息苦しくなるほどの香が焚かれており、荘厳な雰囲気を醸し出していた。
巫女が奥まった御簾の向こうの本殿らしき建物の前に座り何かを唱えた。すると本殿の前に光の玉のような物が緩やかに点滅しながら出てきた。
政神様を直接見たことがなかった私たちにはその光が神々しく見えた。
巫女が話しかけると光の玉ー政神様は答えるように点滅した。
光の玉はしばらく点滅をやめていたが、やがて少し暗くなった。きっと否定なのだろう。
祈祷師様もそこにおられるわけですし、と巫女は付け足した。
祈祷師はあたいの他にも腕の立つ祈祷師は何人かいるわけだし、封印する時にはその人たちを連れて行くよ、といった。祈祷師の腕が上がったのはここ最近のことだ。何かあってもおかしくはない。
その時後ろから大きな足音が聞こえ、人々が騒ぐ声も聞こえてきた。
巫女は立ち上がり、部屋から出ていった。




















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。