前の話
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某日…朝…
赤石家玄関先
飛行船のある基地…
緑彩と名乗る男は俺に向かって
にこやかに挨拶してきた。
その笑顔は少し気味が悪いほどに
目が笑っていなかった。
ニコッ
その男はとても明るかった。
だがそれは本当の明るさなのか…
どこか少し無理してる気も…
2人は俺の同級生と後輩。
2人とはよくつるんでいる
知っている人がいて少し安心した
飛行船に向かうまでの道のりは
翠谷さんのオーラもあって
空気が静まり返っていた。
たまに伊吹が俺に向かって
世間話を少しするぐらいだ。
俺と目が合ってしまった。
その冷酷で蔑んでいる目に俺は恐怖を覚えた。
少しの間沈黙が流れた…
誰から自己紹介するべきなのか迷っているのかもしれない…俺が発言するべきか…
沈黙を打ち破るように明るい声で彼が言った。
その瞬間凍っていた空気が溶けて行った。
聡明の小さな声はきちんと俺の耳に届いた。
そこから空気が変わり
次々と自己紹介が始まった
その石黒と名乗る男はそれしか言わなかった
柊財閥とはここ日本国だけではなく
海外にも進出しているIT会社だ
またこの男も冷たい眼差しだった…
だがその瞳の奥底にはどこか温かさがあるような眼差しだった
全員の配色が言われたあと
飛行船に乗り込むことになった。
不安しかないがきちんとタスキを終わらせて帰ることは出来るのだかろうか…そんな考えが俺の頭をよぎった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。