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第21話

猫と烏
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2025/02/10 01:54 更新
直井コーチ
全員集合ーーー!!!!
ゴールデンウィークが間近に迫った頃、いつものようにバレー部は練習していた。
練習途中に直井コーチが集合をかけた。
直井コーチ
よし、全員いるな?
もうすぐゴールデンウィークに入る。もちろん部活があるわけだが、今回はゴールデンウィーク期間中に3日間合宿遠征へ行くことになった。
山本
遠征っすか?!どこっすか?!
直井コーチ
遠征先は宮城だ。合宿中は宮城の高校と練習試合を行う。普段接点がない他県の高校と練習試合ができる。この合宿中、今まで気づくことが出来なかった各自の課題も見えてくるだろう。
黒尾
……宮城か…ってことは。
隣に立っていた黒尾くんが小声でボソッと言った。
あなた
宮城は何かあるの?
黒尾くんは私を見下ろしてニヤッと笑った。
なんだかよくわからなくて首を傾げてしまった。
夜久
コーチ!宮城ってことは、もしかして烏野高校とも練習試合やるんですか?!
烏野高校…??
バレー強い高校なのかな??
猫又監督
「ゴミ捨て場の決戦」
猫又監督が静かにそう言った。
猫又監督
最終日に烏野高校とも練習試合を行う。
しっかり励みなさい。
なんだかいつもよりニッコリして嬉しそうな猫又先生。
烏野高校…うちと何かあるのかな?

「ゴミ捨て場の決戦」

チラッと横目で黒尾くんを見上げた。
黒尾くんもどこか嬉しそうな笑みを浮かべていた。
直井コーチ
今回は遠征ということで、レギュラーメンバーとベンチメンバー、マネージャーで宮城に向かう。
猫又監督も俺も遠征に同行するため、控えメンバーは高校に残り自主練だ。メニューはあらかじめ作成しておくのでぬかりないように練習を行うように。
あなた
え、私も?!
黒尾
当たり前だろ、お前マネージャーなんだから居てくれないと俺らが困る。
あなた
あ…そ、そうだよね!
ごめん、つい声出ちゃった…。
合宿遠征かー。
陸上やってた時は中学時代から夏場は涼しい東北で合宿をやってたこともあったなー。
宮城も何度か行ったことある。

遠征に同行できるの嬉しいな!
初めて練習試合も間近で見られるし!
休憩中…


私は体育館の外の日陰で座り込んで休んでる黒尾くんに話しかけた。
あなた
黒尾くん!
黒尾
ん??どした??
私は黒尾くんの隣に座った。
あなた
遠征の話なんだけど、さっき猫又先生が言ってた「ゴミ捨て場の決戦」って何のことなのかなって思って。烏野高校って強い学校なの?
黒尾
あーそうだよな!あなたの名字はなんの事かわかんねぇよな!
猫又先生と烏野高校の元監督が学生時代からのライバルでさ、どちらもバレー部の監督になってからはよく音駒と烏野で練習試合してたんだ。当時はどちらも強豪校でさ。全国にも行ったんだ。
あなた
そうなんだ!すごいね!
猫又先生の年齢考えると50年はバレー一筋なんだね。
黒尾
でも、烏野高校の元監督が引退してから疎遠になっちまってそれっきりになった。
「猫」と「烏」…通称「ゴミ捨て場の決戦」っつって、猫又先生は公式戦でずっとゴミ捨て場の決戦を実現させたいと思ってるんだ。
あなた
猫と烏…ゴミ捨て場の決戦…。
じゃぁ、今回は因縁の再戦ってことなんだね!
練習試合でもすごく久しぶりに試合するんだね!
黒尾
そゆこと!俺らは今の烏野がどんなチームなのか全然わからねぇけど、それが逆に楽しみだわ!なんか向こうから練習試合の申し出があったらしいからな。
お互い古豪になっちまったけど、今は違う。俺らは強い。
そう言って黒尾くんはスっと立ち上がって嬉しそうに笑った。
黒尾
ほら!休憩終わるから行くぞ!
黒尾くんが手を差し伸べてきた。
私は少しドキッとして遠慮気味に黒尾くんの手を取って立ち上がった。
あなた
ありがと…!
黒尾
よし!戻るぞ!
黒尾くんは私の手を握ったまま歩き出した。
あなた
ちょ、黒尾くん…!手!
黒尾
ん?あ、わりぃ!ニヤ
黒尾くんって本当にいろいろずるい。
自分の顔が熱をもってるのがわかる。

さてと切り替え切り替え!!
みんなのタオル回収して洗濯頑張るぞーーー!!

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