第6話

【童話】光  前編
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2018/10/29 06:18
ヒカル
ヒカル
これは、昔のお話。 毎朝、白髪少女は山奥に捨てられていました。 『白髪』というのは、病を生み、死にいたらしめる悪魔の仲間と恐れられていたのだ───


寒空の下───
シロ
シロ
ここはどこ...?
白髪少女ことシロは、木製ひつぎから体を起こすと周りを見渡し、見覚えのない場所に唖然あぜんとした。

カァーカァー。

無数の木が生え、空を見上げれば曇り空の中で鳥類のカラスが二羽飛んでいた。

ここはどこ...わたしは...どこから来たの...?

わたしは......『白髪少女』で名前はシロだった。

曖昧あいまいな記憶しか思い出させないのは、目覚める前の記憶が無いのだ。




ひとまず、歩こうと黒く汚れた足を踏みしめながら前に進み、樹木が密集し変わらない風景からして、ここは森だと分かった。

あっ、町...みっけ。

数時間くらいが経過した頃、下山すると小さいな町並みが広がり、わたしのことを人々に尋ねてみることにした。
シロ
シロ
わたしの...居場所、分かりませんか...?
男性
なんだい、お嬢っ...白髪だと...また生き返ったのか......この村から立ち去れ!
男の人は優しげな声色でこちらを振り向こうしたけれど、わたしを見た途端、豹変ひょうへんしてしまった。

不気味なものを見るような目でわたしを見つめる。

以前の記憶は完全に無いのだけれど、二つの言葉は頭に入っていた。

一つ目は『白髪』少女は悪魔という不思議な存在の仲間だ、ということ。

二つ目は何度でもよみがえること。

だから、おじさんが生き返ったと驚いていても、起きた瞬間に比べれば、そんなに気にはしなかった。
男の子
この、悪魔の手下め!
男の子から投げつけられた硬い石が、わたしの頭に思いっきり当たった。

反動で、目をぎゅっとつぶったが、
シロ
シロ
あれ.....全然、痛くない
と想像した痛みとは違い、全く感じなかった。

その反応にぎょっと目を大きく開いた女の子がこう投げかけた。
女の子
きもちわるい.....
女性
いつになったら...わたしらに平和が来るのよ。 いい加減に消えてよ
女の子も女の人も、みんな同じ。

わたしにはまるで感情がないみたい。

誰がどう見ようが、心が死んだように動かない。

なぜだろう、リアルを観る度に絶望される光景を知っているような気がする。
男性
これじゃ、また山奥に捨てても意味が無い。 炎の刑にしょすんだ! 捕まえろ!
別の男の人が甲高かんだかく叫んだ合図と共に、人間が一点に向かってくる。

わたしは一歩も動こうとせず、逃げることのないまま、大きいな人間たちに捕まった。

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