第144話

137.俯瞰
816
2025/08/19 11:00 更新
こーちからキャンプに誘われた日。

そして照と話をした日。

同じ日に2人から改めて想いを告げられた。

あの日から毎日のように2人からはメッセージが来る。

でも私はなんて返信すればいいのかわからなくて既読無視してしまっていた…










ある日、電話がかかってきた。






相手は『深澤辰哉』





きっと、照のことだろうな。

私は気が重いと思いつつ、電話に出た。
(なまえ)
あなた
もしもし?
ふっか
もしもーし。久しぶりだけど元気してるか?
(なまえ)
あなた
うーん…
ふっか
ほら。きっと話したいことあるんだろ。
話してみろって。
(なまえ)
あなた
うーん…
ハッキリしない返答にしびれを切らしたふっか。
ふっか
あーもう。遠回しはやめるな。
照があなたに既読無視されてるって嘆いてたぞ。
やっぱり…そうだよね…
ふっか
グループのほうも返信してこないし。
他のメンバーも心配してるぞ。
(なまえ)
あなた
ごめん…
ふっか
こーちとなんかあったか?
(なまえ)
あなた
うーん…
ん?こーち?

あれ?私、ふっかにこーちのこと言ったっけ?
ふっか
あ、ごめん…
空の病院に行った日。照も動揺してて俺にポロッと言っちゃったんだわ。
でも俺と照しか知らないよ。
(なまえ)
あなた
そういうことね…
ふっか
ちなみに他にこのこと知ってるのって誰?
(なまえ)
あなた
こーちと樹。
ふっか
わかった。
で?何があった?
まずは私は今の状況を説明した。






ふっか
そっか。
(なまえ)
あなた
ちょっと2人と距離を置いて、俯瞰して考えたいなって。
そう思ったらなんだか返信できなくなってた…
ふっか
で?距離を置いて結論は出たの?
(なまえ)
あなた
うーん…
ふっか
はっきりしてないってわけね。
ふっか
じゃあさ、想像してみて。
めめが誰かと抱き合ってるの見たらどう思う?
(なまえ)
あなた
なんで蓮なのよ…
ふっか
だって、あいつ。少し前まであなたのこと好きだったろ?
(なまえ)
あなた
うん…
ふっか
自分のこと好きって言ってたやつが他の女ともうイチャイチャしてたらどう思うかってこと。
蓮が誰かと…
(なまえ)
あなた
いい人見つかったんだね、よかったって思うかな。
ふっか
うん。
じゃあ俺が誰かと抱き合ってるのみるのどう?
(なまえ)
あなた
なんで、ふっか?
ふっか
いいから、想像してみろって。
ふっかが誰かと…
(なまえ)
あなた
見たくない…
ふっか
それは恋愛的な?
(なまえ)
あなた
ううん。ふっかにはそれはない。
でも見たくない。
ふっか
なんで?
なんでか…

ふっかには恋愛感情がなかったから考えもしなかった。

そこで改めて考えてみた。
(なまえ)
あなた
実際にお兄ちゃんいないけど、仲良しのお兄ちゃんを取られちゃうみたいな感覚かも…
少しヤキモチだよね。
もう遊んでもらえなくなるかもなって寂しさもある。
それも恋愛感情ではなくてね…
ふっか
うん。
じゃあ次に樹が誰かと抱き合ってるの見るのどう?
樹と誰か…
(なまえ)
あなた
嫌じゃないけど…
モヤモヤはする。
ふっか
まぁそれは元カレだから複雑か(笑)
(なまえ)
あなた
そうだね。
でも次こそは幸せになれよって思うかも。
ふっか
じゃあ同じように、照とこーちのことを考えてみろよ。
(なまえ)
あなた
え…
ふっか
照のこと。
こーちのこと。
きっと2人が誰かと抱き合ってるの見るのは嫌だろ。
(なまえ)
あなた
うん…
ふっか
でもその理由って恋愛以外のこともあるってことだよ。
そこをちょっと考えてみたら?
恋愛以外のこともあるか…
ふっか
めめみたいに、そもそも恋愛感情がなければモヤモヤはしないだろうな。
でも今までに一度でも恋愛感情を抱いた相手であれば多少はモヤモヤするもんかもよ。
まぁ俺みたいにもとから恋愛対象じゃないやつだったとしてもモヤモヤすることもあるってことだし。
今、あなたが照やこーちに抱えてる想いはどこなのか、考えてみたら。


そうかもしれない。

ふっかが言っていることは難しい。簡単に答えが出るものではないだろう。

でもなんとなく出口が見えない迷路から、出口への光が差してきた気がした。

(なまえ)
あなた
ふっか。ありがとう。
もう一度、きちんと考えてみる。
ふっか
うん、そうしろよ。
で、あなたにとっていい答えを見つけろよ。
(なまえ)
あなた
うん。
ふっか
俺は照のことも大事だけど、あなたのことも同じくらいに大事な仲間だと思ってる。
だから、後悔だけはしてほしくない。
(なまえ)
あなた
ふっか…
ふっか
たとえ、間違った選択をしたとして、またどこかに迷い込んだとしても俺はいつでもあなたの味方だからな。
なんだよ、ふっか。

いい男だな。
ふっか
あ。今、俺のこといい男って思っただろ?
すごい誇らしげな顔をしてるのが想像できた。

ここでそういうことを自分で言わなければいい男なのにな…
(なまえ)
あなた
自分でいうところが残念だよね…
ふっか
おい、残念っていうなよ!
(なまえ)
あなた
まぁでもありがとう。
ふっかっていう味方がいてくれるって思うと心強いよ。
ふっか
だろ?
本当にありがとう、ふっか。
(なまえ)
あなた
よし!考えてみる!
ふっか
うん。
あ、あと1人で悩みすぎるなよ。
いつでも連絡してこい!
(なまえ)
あなた
ありがとう。
頼りにしてるよ、兄貴。
ふっか
任せろ、妹よ!
そうして電話を切った。







さっきふっかに言われたことを改めて考えた。

よく考えた。

考えた結果、私が出した答えは…










プリ小説オーディオドラマ