2人がボスの部屋の扉を開けるとそこには椅子に座る
ぼんじゅうると既に到着していた幹部の
きおきおとたいたいが立っていた
ボスの机にはチェスが置かれておりぼんじゅうるは
誰かと対戦する訳でもなく一人で駒を動かしていた
この幹部二人は俺たちが来るより前に呼び出され、
俺についてぼんさんがいろいろ説明したのだろう
でなければマフィア幹部がこれだけ初対面の相手に
警戒心を緩めるわけが無い
普段感じたことのない仲間の殺気を感じ取り
きおきおとたいたいは冷や汗を流していた
ぼんじゅうるは微笑みながらおんりーに尋ねた
質問されて考える素振りなく答えたおんりーを見て
たいたいは感嘆の声を漏らした
すると部屋のドアがノックされた
ぼんじゅうるはチェスのクイーンの駒を動かした
一時間前
おんりー達が呼び出されるより早く、幹部である
きおきおとたいたいはボスであるぼんじゅうるに
呼び出されていた。
昨日、部下たちが何度も話題にしていた話だ。
話を聞いた感じ、そのおんりーという子は死んでいる
だったら戻ってきたというのは…?
ぼんじゅうるはいつもの演技のような怪しい顔ではなく本当に悲しそうな顔をしていた。
ぼんじゅうるが後ろの本棚からファイルを取り出した
「はい、これ悪夢の資料」と言われ渡されたのは
ファイリングされた資料だった。
通常、任務に関する資料は全て専用の部屋に保管
されるはずだが…まさか後ろの本棚のファイルは
全て悪夢に関する資料なのだろうか……
パラパラと捲るとそこに書かれていたのは敵に関する
資料と報告書だった。
報告書を見た限りだが、無駄がひとつも無い
報告書に書かれている作戦では何となくではあるが
おおはらのことを信頼していないと成功しないであろう
作戦ばかりだった。
何枚か捲るとメモが一枚挟まっていた
メモには軽く敵の情報が書かれておりそこに
「現実世界」と殴り書きされていた
ぼんじゅうるは懐かしむようにメモを見つめた
敵の殲滅に関する血にまみれていそうな資料を息子の
アルバムを見る様に眺めるボスを止める者はいなかった
薔薇
花言葉
・天才
・才能
・厳しさなど
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。