第29話

別れの時…………?
1,221
2023/05/13 15:50 更新
(あなたの名前視点)




鍾離
鍾離
コホン…、色々説明を抜きにしたアイツ…もといミコトに代わり俺が説明しよう
よろしくお願いしまーす
遍 司沙
よろしくお願いします
あなた
よろしく、お願いします…


ゲートの近くで、オカンと司沙くんと私は三人並んで鍾離様の前に座る。




鍾離
鍾離
む?何故お前がそっちに座っているんだ?
あなた
い、いやぁ…その、あまりの急展開ぶりに私もちょっと整理がてら話を聞きたいなぁと
鍾離
鍾離
……、ははっ、そうか
だが、お前は


目をパチクリさせて(可愛いかよぉぉぉっ!)そう言うと鍾離様は少し笑い私の手を取り、自分の傍へと引き寄せた。



鍾離
鍾離
お前はここで聞けばいい


ものすごく優しい微笑み!
い、今までと比べものにならないくらいいい顔っ!!



あなた
ワ、ワカリマシタ


思わずカタコトになってしまった…




イチャイチャしてないで早く話してちょうだいよ鍾離先生
遍 司沙
二人のあの尋常じゃない雰囲気見てよく冷静で居られますね?!
なぁによ?どうせもう恋人になってんでしょ?
いい雰囲気になってるのなんて当たり前じゃないのよ
遍 司沙
えっ?!マジで?!
二人付き合ってんの?!


オカンは司沙くんの頭にゲンコツを食らわした。
い、痛そー…




遍 司沙
〜っ、な、なにを…っ
アンタアホなの?
バカなの?
脳ミソがヨーグルトになってんじゃないの?
二人を見たらそんなの一目瞭然じゃない
猿でも分かるわよ
遍 司沙
ヨ、ヨーグルトって…………



頭上では神様の大爆笑が聞こえて来る。
なんとなく、オカンと司沙くんをここに呼んだ理由が分かったかもしれない。





鍾離
鍾離
まぁ、そのなんだ…
あなたの名前は俺の恋人だ
俺達がこうして恋人同士になれたのはお前のおかげでもあるんだぞ?司沙
遍 司沙
へ?僕?
鍾離
鍾離
あぁ、お前が背中を押してくれたおかげだ
感謝する、友よ
遍 司沙
そ、そっか……うん、ヘヘっ
……良かったねあなたの名前ちゃん


司沙くんは少し切なげに笑いながら私を見て言った。


遍 司沙
僕、本当に君の事が好きでした
けど、君の事を幸せにしてあげられるのは僕じゃない
鍾離さんは本当に、素敵な人で僕の…親友だ!
鍾離
鍾離
あぁ、感謝する
だが……俺は架空の人物だ
本来存在してはいけない存在
二人同時
え"ぇ"っっ?!?!


鍾離様の放った言葉にオカンと司沙くんは心底驚いて二人同時に声を上げた。



ちょっと!どういう事よ?!
何で鍾離先生が知ってんのよっ!
遍 司沙
絶対知られちゃヤバいって思って黙ってたのに!
あれ、アンタ知ってたの?
遍 司沙
少し前から気づいてた、というか…一応僕もオタクだし…異世界から来たなんて言われたら真っ先に2次元のキャラクターだとは思ってましたよ
あなた
私も鍾離様から聞いた時はビックリしたよ


皆で鍾離様に顔を向ける。
鍾離様は相変わらず冷静でちょっと困ったような表情をしていた。



鍾離
鍾離
俺はこの空間に来るのは2回目なんだ
最初に来た時、この天災が始まる前、夢の中でこの空間に来た
ミコト
正確には夢じゃなくてモラクスの意識をここに飛ばしただけんだけどね♪


上の方で浮かんでいる神様がニヤニヤしながら補足を付け加える。



鍾離
鍾離
……そこでミコトから聞いた
そしてそれが真実であると理解した


切なげに笑う鍾離様は私の頭を撫でる。



あなた
鍾離様…私っ
鍾離
鍾離
心配しなくていい
俺は気にしていないからな
過程はどうあれお前とこうして結ばれたのもまた事実だ
それだけで俺は満足している
鍾離
鍾離
たとえ架空の人物だったとしても俺に想いを伝えるよう押してくれたのは司沙だ
それがなければ俺は自身が消えるまで想いを口にする事はなかっただろう…そして、この気持ちに気づく事もなかっただろう
遍 司沙
え!そうなのか?!
鍾離
鍾離
ははっ、不甲斐ない話だがな
お前と話すまで彼女への気持ちに気づく事はなかったんだ


鍾離様は私を見て優しく抱きしめてくれた。



鍾離
鍾離
今、お前と想いが繋がり、幸せに思っている
あなた
わっ、私も、デス!
鍾離先生って恋愛するとこんなにも溺愛するのね…
おーい、あなたの名前〜?大丈夫?顔真っ赤かよ〜
あちゃー、軽く昇天してるわこの子
鍾離
鍾離
ははっ、愛らしいな
遍 司沙
見てるこっちも恥ずかしくなって来る……
あ、そうだ、あの嵐は?何で急に嵐になったんだ?
何か関係あるのか?


鍾離様の余韻を感じつつ耳を傾ける。
ヤバい、ほんっと破壊力ヤバい!


鍾離
鍾離
あぁ、最初俺がこの空間に来た時、ミコトは俺を召喚した理由を述べた
要約して言えばただの暇つぶしでこのような遊戯あそびを始めたらしい
そしてミコトは天災を起こした
範囲は限定的で〇〇市内だけだった
この天災を俺が止める事が出来れば、遊戯あそびは終わりだと…
遍 司沙
ま、マジかよ……
私達、本当に死ぬかもしれなかったって事ね……
あなた
もしかしてあの時、神の心が出現したのって…
鍾離
鍾離
あぁ、おそらく……奴の仕業だろうな


頭上に浮かんでいる神様を見ながら、鍾離様は言った。



ミコト
ヒヒッ、オレってば優しいでしょ〜?
ちゃぁんと救済処置を施してあげたんだから〜
まさかあの力をオレに向かって放って来るなんてね
いやぁ、驚いたぁ♪
ミコト
心配しなくても、この時間が終われば何事もなかったように全て元通りにしてあげるからさ♪


あの時見えた人影って…神様だったのか…



鍾離
鍾離
……はぁ
何はともあれ、天災を鎮め今に至るという訳だ
なるほどね、大体分かったわ
遍 司沙
じゃ、じゃあもうアンタには会えなくなるのか…
鍾離
鍾離
……あぁ、そうだな
あなた
……仕方ない、ですよね
いつかはテイワットへ帰ってしまう事は最初から分かっていましたから…


私の頭の中には鍾離様が逆トリップして来て家の玄関前に倒れていた頃の記憶が蘇る。
あれから、まだ数ヶ月……いや数ヶ月経ってないわ
1ヶ月くらいしか経ってないわ
てかまだ1ヶ月だったんだなぁ

私はそっと鍾離様を見上げる。

すごく濃密な時間だった気がする。
仕事で、残業から帰ってきて、玄関を開けたら出迎えてくれて
家の事手伝ってくれたり
司沙くんの騒動とか、あ、オカンが一番最初に来た時の事とか…司沙くんのお父さんの事とか…色々あった1ヶ月間だったなぁ…

私の視線に気がついた鍾離様は優しく微笑む。



鍾離
鍾離
少しの間だけでも、お前とこうして恋人になれた事…俺はけして忘れる事はない
感謝する…あなたの名前
あなた
……はい、……はいっ
私、もっ……絶対に忘れませんっ
ありがとう、鍾離様っ

涙が溢れる。
あぁ……本当に、帰ってしまうんだ

鍾離様は私の涙を指で拭いて、頬に手を当てる。


鍾離
鍾離
すまない、……だが、これだけは言わせてほしい
鍾離
鍾離
…愛してる


鍾離様の表情は悲しそうで、だけど微笑わらっていて…、だから私も…泣いているけれど精一杯の笑顔を見せた後、私達はキスをした。








ミコト
あーのー?
いい雰囲気の所悪いんだけど〜
モラクスだけが帰れる訳じゃないよ〜?
あなた
え?
鍾離
鍾離
何?
ミコト
そんなに愛してるんなら〜、彼女も一緒に連れて行けばいいじゃん


唐突な、本当にあまりにも唐突な発言に私達は面食らったのだった。















To Be Continued……









※次回最終回!
最終回はちょっと挑戦味を出して複数あります!
ちょっと時間かかるかもです…




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