ええーーー!!!???
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さかのぼること10分前。
キーンコーンカーンコーン……
4時限目終了のチャイムが鳴る。
私はトントンと教科書を片付ける。
光ちゃんは慌ただしく教室を出て行った。
光ちゃんは図書委員。
倉庫整理で忙しいみたい。
海人とご飯を食べるのは久しぶりだった。
自然と声が弾んでしまう。
嬉しいな……////
お弁当を持ち、海人と教室を出ようとしたとき……
廊下から、購買から帰ってきたハルに声をかけられた。
なんだろう??
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その「大事な話」がこれだったみたい……。
“ オレ……光に告白しようと思う ”
ハルははっきりした声でそう言った。
多分……ずっと考えてて。
やっと決心したって感じだった。
光ちゃんとハルが文化祭からいい雰囲気なのは、私も感じていた。
そっかー、そうだったんだ。
ハルは光ちゃんが好きだったんだ。
実はハル、サッカー部なんだ。
1年生のころは不真面目であまり練習にも参加していないみたいだったけど。
2年生の2学期ぐらいからは、毎日熱心に練習に励んでいるって噂。
セフレとの関係も断ち切ったんだって。
ハルは成長してる。
これも……恋の力なのかな?
ハルは目の中に力を込めて言った。
ハルは本気で光ちゃんが好きなんだな。
告白……成功してほしいな。
ハルがそっぽを向きながらゴニョゴニョと云う。
ハル……そんなこと気にしてたの?
____全然、いいのに。
私はハルに拳を付き出す。
ハルは一瞬目を潤ませた……気がしたけど、すぐに目に光を灯す。
ハルが私に拳を付き出す。
二人の拳が合わさる。
ハル……頑張ってね。
ハルは私の大切な友達。
私の大切な友達同士が幸せになってくれたらいいな。
幸せになってね。
拳を合わせあっている二人を、海人は柔らかい眼差しで見つめていた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。