第161話

クリスマス
18,868
2019/07/16 10:17


スケートは思ったよりも楽しくて。

お互い、時間を忘れて夢中になっていた。

気づけば時計の針は5時を回っていた。
みく
ハァ……楽しかったね!
足が疲れたけど〜
海人
意外と面白かった。
ちょっと休憩するか


私と海人は近くにあったオシャレなカフェに入った。

椅子に腰を下ろして、一息つく。

日頃全然運動しないから、足が疲れちゃった。

私と海人は少し早いけど、晩ごはんも食べることにした。

私はサンドイッチセット。

海人はシーフードのパスタを頼んだ。

2人で料理が来るのを待つ。
みく
あっ!
私、海人にプレゼントがあるんだ
海人
え?


私はカバンから事前に買っておいたプレゼントを取り出す。
みく
はいっ!
メリークリスマス
海人
ありがとう
開けていい?
みく
うん!


海人がプレゼントを開ける。

私の心臓は、もうバクバク!

喜んでくれるかな……?
海人
手袋?
みく
う……うん!


私が海人にあげたプレゼントは手袋。

海人、いつも学校に付けて来ないから。

多分持ってないのかなって思った。

藍色の毛糸の手袋。

海人はシンプルなものが似合うと思ったから、柄は無しにした。



海人
マジか……
みく
えっ!?
気に入らなかった?
まさか、もう持ってたりとか……
海人
嫌、ちがう。
すごく気に入ったよ
海人
ただ……


海人がカバンを探る。

そして、袋を取り出す。

リボンのついた、可愛らしい袋。
海人
開けてみて
みく
う、うん?

私はガサガサと袋を開ける。

袋の中にあったのは……








みく
手袋……?

赤い毛糸の手袋。

それが袋の中身だった。

シンプルだけど、小さなハートのワンポイントがある。

すごく、可愛い。

これって……?
海人
みくへのクリスマスプレゼント
みく
えっ!?
海人も手袋だったの?
海人
だって、学校に付けて来てないし……


なんだ……。

理由も同じじゃん。
みく
……アハハっ!!
面白いねっ!
海人
俺もまさかかぶるとは思ってなかったよ


ねぇ、海人。

私が学校に手袋を付けて来ない理由、知ってる?

手袋付けてなかったら。

海人が手を繋いでくれるかもって考えているからだよ。

海人は私が手が冷たいって言ったら、手繋いでくれるもん。

手袋あったら、できないでしょ?

だから、付けてなかったんだよ。

……でも、この手袋ならいいかな。

海人が選んでくれた手袋だもん。

海人からのクリスマスプレゼントだもん。

……嬉しい。
みく
海人
海人
ん??
みく
ありがとうっ!


私は手袋を握りしめながら言った。

私の宝物だ。

海人からのクリスマスプレゼント。

一生大切にする。

私が海人に笑いかけたら。

海人も目を細めて微笑んでくれた。



それからそれぞれのご飯が来て。

私と海人はくだらない話をしながら食べたんだ。

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