四月。
新学期の匂いがする、少し肌寒い朝
先生の声に皆がザワつく中
扉の向こうから入ってきたのは
どこかの”時代劇”から飛び出してきたような
黒髪ロングの美少女だった
ぴしっと”正座”をしてお辞儀する転校生に
クラスはしばし沈黙_
教室に軽く走った衝撃をよそに、白雪ひめさんは
真剣そのものの顔で、皆を見回している。
目が合うと、にっこり微笑んでくれた
___いい子そうではある。
先生が指さした席は私・佐藤まなみの隣だった__
昼休み。
隣に座った白雪さんは、そっとお弁当箱を開けた。
中には__真っ赤なりんごが、花のように
飾られていた。
あやうい。あやうすぎる。ツッコミどころ満載だ。
それでも彼女はにこにこしながら、りんごを
一切れずつ優雅に口に運ぶ。
どこか遠くを見つめる目に、なぜか私は
ゾッとした。
放課後、私と白雪さんは一緒に下校することになった。
交差点で信号待ちしていると、彼女は道端に咲いた花を
じっと見つめる
こうして、白雪ひめさんの”現代日本・普通の高校生活”
が始まった。
でも彼女、あきらかに普通じゃない__いや、
多分”お姫様だった人”なんだろう。
それでも、リンゴが好きで、友達が欲しくて、
頑張っている姿は……ちょっと応援したくなる。
私、佐藤 まゆみは
彼女は”現代の平和な日常”を満喫できるように、
全っっ力でツッコミ役に徹するって!
つづく🍎
次回「白雪さん、保健室で魔法を使う」
(※使ってません。あくまで”そんな雰囲気”です)













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。