第2話

転校生は白雪さん
8
2025/06/16 06:39 更新
四月。
新学期の匂いがする、少し肌寒い朝
先生
皆さん、今日からこのクラスに新しいメンバーが
加わります
先生
入ってきて〜
先生の声に皆がザワつく中
扉の向こうから入ってきたのは
どこかの”時代劇”から飛び出してきたような
黒髪ロングの美少女だった
白雪  姫
白雪 姫
白雪ひめ、と申します。どうぞ、
よろしくお願い致します。
ぴしっと”正座”をしてお辞儀する転校生に
クラスはしばし沈黙_
佐藤  まなみ
佐藤 まなみ
心の声(ひ、ひめ?本名で姫ってすごいな…)
佐藤  まなみ
佐藤 まなみ
心の声(てか…正座!?イマドキそれやる?)
教室に軽く走った衝撃をよそに、白雪ひめさんは
真剣そのものの顔で、皆を見回している。
目が合うと、にっこり微笑んでくれた
___いい子そうではある。
先生
じゃあ、ひめさん、あそこの席にどうぞ
先生が指さした席は私・佐藤まなみの隣だった__
昼休み。
隣に座った白雪さんは、そっとお弁当箱を開けた。
中には__真っ赤なりんごが、花のように
飾られていた。
佐藤  まなみ
佐藤 まなみ
……それ、全部りんごなの?
白雪  姫
白雪 姫
はい。朝摘みの林檎を召使……いえ、祖母が
捌いてくださいました。
佐藤  まなみ
佐藤 まなみ
召使……?
白雪  姫
白雪 姫
いえ。祖母です
あやうい。あやうすぎる。ツッコミどころ満載だ。
それでも彼女はにこにこしながら、りんごを
一切れずつ優雅に口に運ぶ。
佐藤  まなみ
佐藤 まなみ
りんご、そんなに好きなんだね
白雪  姫
白雪 姫
はい。これまでの人生で何でも……いえ、一度、
とても印象深い出来事がありましたので……
どこか遠くを見つめる目に、なぜか私は
ゾッとした。
白雪  姫
白雪 姫
……まなみさんは、毒のないりんごを
食べたことはありますか?
佐藤  まなみ
佐藤 まなみ
えっ、ないと言うか、
普通毒は入ってないと思うけど!?
放課後、私と白雪さんは一緒に下校することになった。
交差点で信号待ちしていると、彼女は道端に咲いた花を
じっと見つめる
白雪  姫
白雪 姫
この世界は、静かですね。馬車の音もしないし、
鏡も喋りません。
佐藤  まなみ
佐藤 まなみ
え?馬車?……鏡?
白雪  姫
白雪 姫
そういえば、まなみさん。毒の見分け方って 
現世ではどうしているんですか?
佐藤  まなみ
佐藤 まなみ
そんなの必要ないよ?!
あんたの前世どんな環境?!
こうして、白雪ひめさんの”現代日本・普通の高校生活”
が始まった。
でも彼女、あきらかに普通じゃない__いや、
多分”お姫様だった人”なんだろう。
それでも、リンゴが好きで、友達が欲しくて、
頑張っている姿は……ちょっと応援したくなる。
私、佐藤 まゆみは
彼女は”現代の平和な日常”を満喫できるように、
全っっ力でツッコミ役に徹するって!
つづく🍎
次回「白雪さん、保健室で魔法を使う」
(※使ってません。あくまで”そんな雰囲気”です)

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