第10話

いけないこと?
402
2022/07/08 11:02
祐月
祐月
永兎はね…うーん…
永兎……呼び捨て…?
祐月
祐月
俺、中高一貫校に通ってたんだ
零音
零音
そうなの?
祐月
祐月
そう
祐月
祐月
でもね、高校3年で転校した
祐月
祐月
なぜかっていうとね…


オメガの、甘い匂いがした。
俺はアルファってことを隠してたから、
近づかないようにしてた。
でも、嫌な声がした。
永兎
永兎
『やめてくださ………っ誰か…っ!』
それは永兎だった。
祐月
祐月
『おい、やめろよ嫌がってんだろ』
思わず助けていた。
永兎の目が訴えていた気がしたから。
永兎
永兎
『すみませ…っありがと…ございますっ…』
でもそれは、一回じゃなかったんだ。
二回めからは、ひどかった。
永兎をいじめてたやつが、こういった。
『あ、今日も運命の番様がお迎えだぞ』

は?
永兎
永兎
『……っ』
永兎は否定しなかった。
俺が…運命の番?
祐月
祐月
『ふざけんな、運命とか意味分かんねぇ』
否定した、けど無意味だった。

『惚気いらな』

永兎
永兎
『……っ…』
永兎は初めて逃げなかった。

プリ小説オーディオドラマ