翌日
仕事が終わり、伸びをしていると誰かに肩を叩かれる
振り返るとすちくんがいた
今日は仕事終わりにすちくんの話を聞くという約束をしている
急いで仕事をしたつもりだったが待たせてしまったらしく、申し訳ない気持ちになる
ここでは他に人が沢山いて話しにくいだろうと気を利かせる
私はすちくんと共に屋上へ向かった。
屋上の柵に二人でもたれ掛かると
心地よい風が吹き抜けた
すちくんは少し重たそうに口を開いた
すちくんが少し緊張しているのを感じたため、明るい声を出す。
横を見ると、すちくんの顔は強ばっていた。
言うのを躊躇してしまうような話なのだろうか
沈黙が続いたら更に言い出しにくくなってしまうのではないかと、私から口を開く。
すちくんがぎゅっと拳を握りしめたのがわかった
すちくんは顔を上げてこちらをしっかり見ると、覚悟を決めたように口を開いた。
真剣な眼差しに私まで緊張してくる。
美人とストレートに言われ、少し照れてしまう
すちくんは一生懸命私に伝えようと言葉を探しながらポツリポツリと喋る
いや、前から尊敬してたけどね?
と私の顔を見て補足する
確かに私冷たかった自覚あるし。
拗ねた素振りをする私を見てすちくんは微笑んだ
いくら私が鈍感でも、恋愛小説や少女漫画はそれなりに読んできた。
いや、読んでこなかった人でもさすがに薄々感じるだろう。
私は、すちくんがこれから何を言おうとしているのか、自惚れだとは思いながらも勘づいてしまった。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。